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少年、少女の憧れ

「えっと、それで…。朔って具体的にどれだけすごいんだ? 今一実感できなくてさ…」

京介はまた話についていけなくなることを覚悟しつつ尋ねた。


「……そうですな。銀色の魔弾を知らないならばそれもやむをえますまい。いや、失敬しました、京介殿。まずはそこからですな」


「銀色の魔弾というのは、この学院の母体、フラグメント社の特務部隊でね。さっきも言ったけど、ハッキングに関する様々な問題に対処する組織なんだ。世界各国とも人材交流がある、いわば干渉者の憧れの的って訳さ。あ、世界と言っても、もちろんルージア以外だけどね。あそこは半鎖国状態を貫いているから」

「ヤマトには本部のほかにここ東方、西方、そして北方の3つの支部があるわ」

「朔殿は支部とはいえ、全国に数多居る弾員の頂点、隊長の一人なんですよ。それも我々と同じ歳の学生にもかかわらず!」


 と言ってそいつは興奮気味に机をバンバンと叩いたかと思うと、急に小刻みに震えだし、なにやら唸りだした。


「僕も、せっかくこの学院に入れたんだから、将来は銀弾に入弾したいよ」

「私もですわ」「拙者もです!」と続くクラスメイト達。


 クラスを見回すと、皆思い思いに話をして楽しそうに盛り上がっている。クラスメイトのほとんどが、そんな風にギンダンとやらに憧れてこの学院に入学したのだろうか。


「京介! 朔さんの話なら俺もウワサで良く聞くぜ!」


 そんな風に京介が考え事をしていると、突然でかい声がした。大声で会話に乱入しに来たそいつは―


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