第5話 牛捌き
頼れる(?)相棒キャスティが吹き飛ばされ、絶体絶命のピンチ!
目の前には、ストレスで肉質のガチガチな巨大狂牛「キング・ブル」が立ち塞がります。
しかし、ここで緑の酪農家魂に火がついた!
レベル10へと進化したその体には、立派な角と「雪国のトラクター」にも負けない不屈の精神が宿っています。
「おい、不健康な牛。プロの足腰ってやつを教えてやるよ」
牛vs牛、重戦車同士のようなガチンコ押し相撲!
そして勝利の後に待っているのは、このゲームの残酷で便利なシステム「捕食」……。
緑の胃袋とアイデンティティが、今、試される!?
キャスティの危機に、
緑の脳内にシステム音が響く
・・・『ログ:経験値の分配により、個体名「ミドリ」のレベルが10に到達しました。』
ミドリの体がひと回り大きく膨れ上がり、額からは鋭く、そして美しい**「角」**が突き出す。
(……おい、お前。俺の飼い主(仮)に何さらしてけつかる!)
緑は猛然とキング・ブルの前に立ちはだかった。
(富良野の冬はな、雪を押し退けて進む体力が必要なんだよ!)
緑は四肢を踏ん張り、キング・ブルの突進を真っ向から角で受け止めた。
**ゴツォォォッ!!**と鈍い音が響き、角と角が噛み合う。
「貴様、そのレベルで、俺に叶うと思っているのか?」
レベル差5。パワーでは相手が勝る。ズリズリと緑の蹄が地面を削り、後退させられる。
(……くっ、重い! まるで重量トラクターと押し合いしてる気分だぜ……!)
鼻息荒く、さらに力を込めるロスト・ブル。
緑の膝が折れそうになったその時。
「……外して、ミドリ!」
茂みから這い出したキャスティが
鋭い声と共に鞭を振るった。
スキル【狙い撃ち】
シュルルルッ!と生き物のように伸びた鞭が、ギング・ブルの片後脚に絡みつく。
「今よ!」
キャスティが勢い良く鞭を引くと、バランスを崩したロスト・ブルの巨体がグラリと傾いた。
(ナイスだ、キャスティ! 隙だらけだぞ!)
緑はその瞬間を見逃さず、死力を尽くして角を突き上げた。
キング・ブルは横転し、地面を激しく叩きつけた。
『ログ:会心の一撃、強敵「キング・ブル」を撃破しました』
牛Level12になった。キャスティLevel14になった。
近くにテントを張った。キャスティはキング・ブルを素早く捌き、「緑、食べな。」強くなるよ。
「俺は、牛の癖に牛を食べるのか、むしゃむしゃ
やはり硬え、牛は一気に食べれないんだよ。」
何回も、咀嚼し飲み込んだ。
俺の頭上に出る。?表記。
スキル獲得
【突進】: 牛としての基本。
【威圧の咆哮】: 酪農家としての
「コラァッ!」が牛の鳴き声として強化された。 低レベルモンスターを怯ませる。
【肉質硬化】: 食べたのが「硬い肉」だった。
そのためか、自分の体も一時的に硬くして防御力を上げるらしい。」
キャスティにも何やら出てる?
スキル獲得
【牛の解体】・・・牛を綺麗に捌ける。
「なにそれ、怖っ!」
第5話をお読みいただきありがとうございました。
まさに「牛の意地」が爆発した回でしたね。
キャスティとの見事な連携で格上を倒す熱い展開でしたが……読後のこの「モヤモヤ感」は何でしょうか(笑)。
自分の同族を「むしゃむしゃ」と咀嚼し、着実に牛として(?)強くなっていく緑。
手に入れたスキルはどれも強力ですが、その代償としてキャスティが覚えた**【牛の解体】**が怖すぎます。
「強くなるよ」と肉を差し出す彼女の瞳は、純粋な善意なのか、それとも熟練の解体師のそれなのか……。
緑にとって、ある意味キング・ブル以上に恐ろしい天敵が隣に誕生してしまったのかもしれません。




