第4話:霜降りのブランド
自由すぎるRPG「マジックソルジャー」の世界。
そこには「倒したモンスターを家畜にし、さらには食べることでスキルを奪う」という、弱肉強食を地で行くシステムが存在していた――。
レベル1の食用牛として転生した元・酪農家の緑は、謎の鞭使いキャスティと共に彼女の家を目指します。道中、キャスティの無双っぷりを眺めながら道草を食う緑でしたが、気づけばレベルは10に到達!
しかし、平穏な旅路は突如現れた狂暴な雄牛「キング・ブル」によって破られます。
吹き飛ばされるキャスティ! 目の前に迫る、ストレスで肉質の固そうな巨体!
富良野のプライドを賭けた、牛同士のガチンコ勝負が今、幕を開けます。
このRPG「マジックソルジャー」は自由度の高いゲームとして、人気を集めた。従来の冒険と付随して、モンスターを家畜にして、食べれる。その場合。モンスターのスキルを引き継げるシステムである。
そんな俺(牛)は、キャスティの家へ向かうことになり道中・・・
緑が、道草を食べてる間に、キャスティが道端の「キラーラビット」や「スライム」を、流れるような鞭捌きで次々と片付けていく。
いつの間にか、Level10になっていた。
緑の視点: 「おいおい、あの鞭、ただ振り回してるんじゃねぇ。遠心力を殺さずに次の獲物へ繋げてやがる……プロの仕事人だ、この草うめー。」
ログ: 『経験値を共有しました。個体名「ミドリ」のレベルが10に上昇しました』
結果: 何もしてないのにレベル10になり、牛として角が生えの体格が少し立派になる緑。
牧場の手前、薄暗い街道で現れたのは、
【迷いし黒い雄牛Lv.15】。
敵の特徴: 緑よりも一回り大きく、目が赤く充血している。狂暴化した野良牛。
キャスティの反応: 「……まずいわね。群れの長で狂暴個体だわ。今の私一人じゃ、あの子(緑)を守りながら戦うのは少し荷が重い……」
緑は、目の前の黒い雄牛を見て、モンスターとしてではなく「牛」として評価を始める。
緑の心の声: 「……あぁ、ダメだ。あいつ、蹄のケアを怠ってやがる。おまけにあの充血……ストレスが溜まりすぎて肉質がガチガチだ。これじゃあ
**『食べるとスキル獲得』**どころか、食あたりを起こしちまうぞ!」
行動: 「そんな不健康な体で、俺たちの前を塞ぐんじゃねぇ!」と、本職(酪農家)としての怒りが爆発。
その圧倒的な質量と突進力に、Lv.12のキャスティは反応が遅れる。
「しまっ……!?」
ドォォォン!!という衝撃音と共に、キャスティの細い体が宙を舞い、街道脇の茂みへと吹き飛ばされた。
果たして、海道 緑の運命はいかに?
第4話をお読みいただきありがとうございました!
キャスティの華麗な鞭捌きに惚れ惚れしつつ、「道草うめー」とマイペースを崩さない緑。レベル10になって立派な角が生えても、その本質はやっぱり「富良野の酪農家」でしたね。
強敵ギング・ブルを前にして、恐怖よりも「肉質の悪さ」に怒りを覚える主人公(牛)なんて、後にも先にも彼だけではないでしょうか。……とはいえ、そんな余裕をぶっこいている間に、頼みの綱だったキャスティがまさかの大ピンチ!
宙を舞ったキャスティ。目の前には充血した狂暴な巨大牛。
レベル差5の壁を、緑はどう乗り越えるのか?
次回、第5話。ついに「食用牛(予定)」が、その角で真価を見せつけます。




