第10話新たな仲間、野生馬「アニー」
南の城への長い道のり。
重い荷物(主に黄金)を運ぶには、強靭な足腰を持つ「馬」が必要です。
しかし、ミドリたちの前に現れたのは、重力すら無視するほど「やる気」を捨て去った、世にも奇妙なモンスターでした。
新メンバー(?)アニー加入!
効率を極めた脱力系ホースと、爆裂推進のオゥク。
この混ざるはずのない二つの個性が、ついに馬車を「異次元の速度」へと導きます
馬車を探してトボトボ歩いていた一行の前に、信じられないほどダルそうなオーラを放つモンスターが現れました。その名も、野生馬モンスター**「デッドホース」**であった。
ステータス
種族: 野生馬(脱力系)
Level︰17
HP270 攻撃20、防御17、素早さ1〜100
魔力12、かしこさ30
状態: 常に半目。所持【スキル】計算、言語能力
特徴: 尻尾に「アニーやる気無し」という旗を自ら括り付けている(あるいは誰かに付けられたが外すのが面倒だった)。
ミドリ
「……おい。あいつ、地面に足がついてねえぞ。歩くのすら面倒で浮いてるんじゃねえか? なんだあの、デタラメな素早さは?それに覇気が全くねえぞ!」
フェン:
「……。あの馬、私たちの『黄金(堆肥)』の凄まじい匂いを嗅いでも、眉ひとつ動かさない。……ある意味、最強の精神力の持ち主かもしれん。鼻が機能していない可能性もあるが」
オゥク:
「ガフッ……(あいつ、俺が後ろで爆発しても絶対驚かないタイプだ)」
キャスティ:
「見てミドリ! 馬居るよ、とっても落ち着いてるわ! レンタル馬車で引かせよう。ザハード城までの長い道のりも、マイペースに運んでくれそう!
ミドリの作戦会議
(……チッ、あんな死んだ魚のような目をした馬をどうやって働かせるんだ? だが、このままじゃ城に着く前に姫がカエルからオタマジャクシに戻っちまうぞ。……よし、こうなったらアレだ!)
ミドリは、自分から溢れ出る**【豊穣の黄金】*
*を、アニーの目の前にそっと出しました。
ミドリ
(おい、アニー。これを見ろ。……これを食えば、お前のやる気スイッチが爆発するか、あるいは一生眠り続けるか、どっちかだ。……どうする?)
ミドリが「黄金(堆肥)」を差し出したその時、半目だったアニーの口が、重々しく、しかし驚くほど流暢に開きました。
アニー:
「……やめてくれないか。その輝きすぎるブツを私の前に置くのは。眩しくて、余計に目が開かなくなる……。……あと、私は別にやる気が無いわけじゃない。**『効率的にエネルギーを温存している』**だけだ。」
ミドリ:
「喋ったァァァ!? しかもめちゃくちゃ理屈っぽいぞ、この馬!」
シャープ:
「……ほう、人語を解する個体か。知能指数は我々の中でも上位かもしれん。……だが、なぜそんなに力なく漂っている?」
アニーは、深い溜息をつきながら事情を話し始めました。
アニー:
「……弟がいたんだ。『バニィー・やる気満々』という、私とは正反対の暑苦しい奴がね。……ある日、南のザーハード城の方へ、キラキラしたものを探しに行くと言って、そのままハグレてしまった。……私は、あいつを探すためにここまで来たが……。……歩くのが、……とにかく、……しんどい……。」
奇妙な利害の一致
目的地が同じ: アニーの弟はザーハード城付近で消息を絶っている。
アニーは(歩くのが面倒なので)誰かに引っ張ってもらうか、効率的に進みたい。
ミドリの提案
モウ〜〜「おい、アニー! だったら話は早い。俺たちの馬車を引け! ……いや、お前が引くのがダルいなら、オゥクの爆裂で馬車ごと吹っ飛ばしてやる。 お前はただ、舵取りだけしてればいい。弟のところまで最速でデリバリーしてやるよ!」
アニー:
「……爆裂噴射? ……風の抵抗計算は私がやろう。……空を飛べるなら、足を使わなくて済む……。……悪くない契約だ……(スッ……と馬車のトウに首を入れる)」
こうして、行こうは、一歩前進するのでした。
第10話を読んでいただきありがとうございます!
新キャラ、デッドホースのアニーが登場しました。
「歩くのが面倒だから計算で空を飛ぶ」という、極限の省エネ思考。
ミドリの熱血(物理的熱量)と、アニーの冷徹な計算。
そしてオゥクの爆発力が合わさった今、一行はもはや「旅」ではなく「飛行」の領域に足を踏み入れました。
次回、果たしてザハード城の門番は、空から降ってくる異臭の塊(馬車)をどう迎え撃つのか……。
衝撃の「着陸(墜落?)」編、ご期待ください!




