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好きのカタチ

作者: 夜凪アリス
掲載日:2025/11/05

「あー、午後イチの経済学、絶対寝るわ……」


「それ、毎週言ってない? 美咲」


昼下がりの学生食堂は、午後の講義を控えた学生たちで最後の賑わいを見せていた。

食べ終わった食器がカチャカチャとぶつかる音、サークルの勧誘らしい大きな声、そして、どこからともなく漂うAランチの生姜焼きの匂い。


私、美咲みさきは、食べ終えた「わかめうどん」の丼を少し向こうへ押しやりながら、テーブルに突っ伏した親友の玲奈れなの黒髪を眺めていた。


「だって、事実なんだもん。あの教授の声、催眠術かなにかなの? 意識を保とうとすればするほど、まぶたが重くなって……」


「はいはい。まあ、単位落とさなきゃいいんじゃない? 3年だしさ」


玲奈は、顔を上げずに「野菜たっぷりタンメン」の残りのスープをれんげでちびちびと啜っている。


私たちも、もう3年生。就活という二文字が、リアリティを持ってじわじわと迫ってくるお年頃だ。


「はぁ……」と、私は今日一番深いため息をついた。うどんのつゆで温まったはずの身体が、なんだか冷めていくような感覚。


「なに、美咲。ため息つくと幸せ逃げるよ。ただでさえ、あんたの幸せ、あの一年坊主に全部吸い取られてそうなのに」


「ちょっと、どういう意味よそれ」


「別にー? そのままの意味ー」


けだるげに顔を上げた玲奈が、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。

こいつは、私の後輩の彼氏のことを知っている数少ない友人で、そして、あいつの(ちょっと変わった)生態を面白がっている張本人でもある。


私は、テーブルに頬杖をついた。窓の外では、中庭の木々が初夏の風に揺れている。


「……ねえ、玲奈」


「ん?」


「彼氏を『好き』って、なんだろうね」


「ぶふぉっ!?」


玲奈が、口に含んでいたタンメンのスープを盛大に吹き出した。

幸い、私にはかからなかったが、テーブルの上には小さな水たまりができている。


「ちょ、汚なっ! 」


玲奈は、必死に口元を学食の紙ナプキンで拭いながら、咳き込んでいる。


「げほっ、げほっ……。いや、おまっ、急すぎでしょ。何、病んでんの? 就活? それともマリッジブルー?」


「マリッジブルーって、結婚の予定なんてないわよ」


「じゃあ何よ。哲学者の真似?」


私は、唇を尖らせた。


「いやさ……。真面目な話なんだけど」


「はいはい、聞きますよ。美咲先生のありがたい哲学講義」


玲奈は、わざとらしく背筋を伸ばし、手を膝の上で組んだ。そのおちょくった態度に、一瞬、言う気が失せかける。


「……もういい」


「あ、ごめんごめん! ちゃんと聞くから! で、何? 『好き』がわからない、と」


「……うん」


私は、自分の指先を見つめながら、ぽつりぽつりと話し始めた。


「私さ、恋愛って、こう……キラキラしたものだと思ってたじゃん?」


「ほうほう」


「例えば、サッカー部のエースとか、軽音のイケメンバンドマンとかとさ、なんかこう、ドラマみたいな出会い方して、キャーってなって、付き合って……みたいな」


「美咲、わりと面食いだったもんね。入学当初、イケメンサークル(笑)の先輩にキャッキャしてたの知ってるよ」


「う、うるさいな! それは黒歴史!」


顔がカッと熱くなる。確かに、そんな時期もあった。


「でもさ、現実は違ったわけよ」


「うん」


「なんか、よくわかんない人に変に言い寄られて、しつこくて困ってるときに、助けてくれたのが、今の……あいつだったわけだけど」


「うんうん、少女漫画的展開。で?」


「いや、あいつも別に、王子様ってわけじゃなくて。


むしろ、その場にいたただのモブ? みたいな。


たまたま『あの人、美咲先輩が困ってるみたいですよ』って、別の友達に言ってくれて、その友達が助けに来てくれた、みたいな、間接的な感じだったし」


「あ、そうなの。あいつ、直接助けたんじゃなかったんだ。ヘタレかよ」


「そう。ヘタレ。で、その助けてくれた友達経由で、なんかお礼することになって、連絡先交換して……。そしたら、なんかすごい勢いでアプローチされて」


「ほう」


「別に、顔が超タイプってわけでもないしさ。どっちかっていうと、地味?っていうか、目立たないタイプだし。


でも、とにかく押しが強くて、断るのもなんか可哀想になってきて、まあ、いい人そうだし……って感じで、なんとなく付き合い始めちゃったんだよね。


大学入ったばっかの1年生だったし、まあ、いっか、みたいな」


「で、付き合ってみたらさ。これがまた、すごいのよ」


「……すごい、とは?」


玲奈が、待ってましたとばかりに身を乗り出した。


こいつ、私のノロケ(という名の愚痴)を聞くのが大好きなのだ。


「あのさ、こないだも……」


私は、声を潜めた。周りのテーブルに聞こえないように。


「うんうん」


玲奈が、顔を近づけてくる。その目が、好奇心でキラキラしている。


「なんかさ、家で二人で映画見てたのね。


そしたら、急に私の方にすり寄ってきてさ、『美咲先輩のこと、好き……好き……大好き……』って、子犬みたいにクンクン言いながら、私の腕に頭すりつけてくんのよ」


「うわお。熱烈」


「で、私、なんかその時、映画のいいところだったし、ちょっとうざったくてさ」


「うん」


「『うるさい』って言って、まあ……軽く、ビンタしたんだよね」


「は!? ビンタ!?」


玲奈が素っ頓狂な声を上げた。


「しーっ! 声でかい!」


私は慌てて玲奈の口を塞ごうとする。


「いや、だって、美咲、あんた……」


「違うの! 本当に軽く! ぺちっ、て! ほっぺた! そしたら、離れるかなって思ったじゃん?」


「思う思う。」


「そしたらさ……」


私は、あの時のあいつの顔を思い出して、遠い目になった。


「……なんて言ったと思う?」


「えー?『なんで叩くのひどい!』とか?」


「違う」


「じゃあ、『ごめんなさい』?」


「逆」


「逆?」


「『あ……ありがとうございます。あの、美咲先輩。こっちもお願いします』って、反対側の頬、差し出してくんのよ」


「……」


「『片方だけ痛いと、顔のバランスが悪くなる気がして……』とか、わけのわからないこと言ってさ」


玲奈は、数秒間、ぽかんと口を開けて固まっていた。そして、次の瞬間。


「ぷっ……! あはははは! なにそれ! あはははは!」


腹を抱えて笑い出した。


「ちょっと、玲奈! 笑いすぎ!」


「だっ、だって! お、おもしろすぎでしょ、そいつ! バランス!? 顔のバランスって何! あー、ウケる!」


「こっちは真剣に引いたっつーの!」


玲奈は、ひとしきり笑った後、涙目になりながら言った。


「うわー。ある意味、かわいそう……。いや、でも、ビンタされて喜んでるなら……それはそれで、いいのかな……?」


「よくないでしょ! 絶対!」


「いやー、奥が深いわ、あんたの後輩彼氏」


玲奈は、お冷やの入ったコップを掴んで、ごくりと一口飲んだ。


「で? 『好き』がわからないって話は、どこに繋がるのよ。今の話、どう聞いてもノロケにしか聞こえなかったけど」


「ノロケじゃない! 悩み!」


私は、テーブルをドン、と軽く叩いた。


「悩みってのはさ、私、あいつのこと、本当に好きなのかなってことよ」


「はあ?」


「だってさ、今の話聞いてもわかるでしょ?


あいつは、私に『好き好き』って、全身でアピールしてくるわけ。でも、私は? ビンタよ? ビンタ」


「まあ、確かに。愛情表現がロックだよね、美咲は」


「ロックじゃないわよ! 引いてんのよ、こっちは!」


「引いてる割には、別れてないじゃん」


「そ、それは……」


痛いところを突かれて、私は口ごもる。


「……まだあるのよ」


「まだあんのかよ! お腹いっぱいなんだけど!」


「今度は、もっと引くよ」


「望むところだわ」


私は、もう一度、周囲を見渡した。幸い、近くのテーブルの学生たちは、自分たちの会話に夢中だ。


「……あのさ」


「うん」


「こないだ、あいつが真顔で土下座してきて」


「土下座!? 何したの、あいつ。浮気?」


「違う。それがさ、『美咲先輩に、懺悔したいことがあります』って言うのよ」


「ほう」


「『何?』って聞いたら、『昨日……その……不埒な動画を見てしまいました』って」


「……不埒な動画」


「うん。まあ、いわゆる、エロ動画、よね」


「うはは! 自白! なにそれ、小学生の『先生、ぼく、昨日嘘つきました』みたいなもん?」


「で!『こんな汚れた自分を、どうか罰してください。美咲先輩のお仕置きを、お願いします』って、頭を床にこすりつけてきたのよ!」


「ぎゃはははははは!!!」


今度こそ、玲奈はテーブルに突っ伏して、バンバンとテーブルを叩きながら大爆笑した。


「アホじゃん! そいつ、アホの極みじゃん! ひーっ、お腹痛い!」


「笑いごとじゃないって!」


「で!? してあげたの? お・し・お・き?」


玲奈が、ニヤニヤしながら、人差し指で私をツンツン突いてくる。


「するわけないでしょ!」


私は、その指を勢いよくはねのけた。


「なんでよ」


「だってさ! 考えてもみてよ! お仕置きされたい人にお仕置きしたって、それ、お仕置きじゃなくない!? ご褒美じゃん!」


「……確かに。哲学的だ」


「でしょ!? だから、私は『ふーん、そう。じゃあ、今週のおうちデートはナシね。反省しなさい』って言って、普通に帰らせた」


「あー、なるほどね」


玲奈は、笑いすぎた涙を拭いながら、感心したように頷いた。


「お仕置き(物理)はしなかったけど、お預け(精神)っていう、一番キツいお仕置きを与えたわけだ」


「まあ、結果的にね」


「あんた、意外とSっ気あるよね」


「ないわよ! 私は至ってノーマル!」


「えー? だって、ビンタされたい彼氏に、お仕置きされたい彼氏でしょ? それを、叩いてあげたり、お尻ペンペンとかしてあげたりしないんだ」


「お尻ペンペン!? するわけないでしょ! 気持ち悪い!」


「あーあ。あいつ、がっかりしてるだろうなー。『お尻ペンペンして欲しかったのに……』って」


「知らないわよ、そんなの!」


私は、腕を組んで、ふん、とそっぽを向いた。


「でもさあ」


「ん?」


「……なんかさ、こんだけ、あいつは私に求愛行動? みたいなの取ってくるわけじゃん」


「うん、まあ、ちょっと特殊な形だけどね」


「でも、私は、さっき言ったみたいに、割と適当な対応するし、ビンタしたり、デート中止したり……なんかさ、愛情具合が、違いすぎない?」


「……ほう?」


「あいつが『好き』を100だとしたら、私、10くらいしか返せてないんじゃないかなって。


こんなんで、いいのかなってさ……。なんか、あいつが可哀想になってきた」


真剣に悩みを打ち明けた、つもりだった。


玲奈は、私の顔をじーっと見つめていた。その目が、だんだんと、いたずらっ子のように細められていく。

嫌な予感がする。


「……ぷっ」


「……」


「くくくっ……」


「……」


「あー、だめだ。あはははは! だってさ! 美咲!」


玲奈は、さっきよりも大きな声で笑い出した。


「何よ!」


「だって、あいつがそれでも寄ってくるってことは!」


「……」


「そういうのが、好きってことでしょうが!」


玲奈の、何のひねりもない、しかし、的を射た指摘に、私はぐうの音も出なかった。


「うーん……そうなのかなあ……」


「そうだよ! 絶対そう! 美咲のその、冷たい感じ? ビンタしちゃう感じ? 『お仕置きはしません』って突き放す感じ?


……ぜーんぶ、ひっくるめて、大好きなんだよ、あんたの後輩彼氏は!」


「……」


「なんか、もう、おめでとう」


「何がよ」


「……もしかして、美咲。別れようと思ってる?」


玲奈が、急に真面目なトーンで聞いてきた。


私は、即座に首を横に振った。


「いや、それはない」


「……」


「……」


「……ぷぎゃーーーーっははははは!!!」


次の瞬間、玲奈は、今度こそ学食中に響き渡るような大爆笑をかました。


「ひーっ! ひっ、ひーっ! げほっ、ごほっ!」


お腹を抱えて、椅子から転げ落ちそうになっている。周りの学生たちが、何事かと私たちの方を一斉に見た。恥ずかしい!


「ちょっと、玲奈! 静かに!」


「だっ、だっ、だって……! げほっ! 『それはない』って! 即答! あははは! わかってたけど! わかってたけどさぁ!」


玲奈は、笑いすぎてむせている。背中をさすってやる義理もないので、私は冷ややかに見つめた。


「はー……」


ようやく落ち着いたのか、玲奈はぜえぜえと息をしながら、テーブルに突っ伏した。


「……なんかさあ」


「……なに」


「これだけ愛されてるのが、心地よいんだよね……。それは、わかってる」


「はいはい、ノロケノロケ」


「でもさ、あまり好きとか言ってあげたり、なんか、こう、ご褒美? みたいなのをあげたりしないで、ビンタばっかりしてるからさ……。


たまに、我に返って、私、ひどい女だな、あいつ可哀想だな、とか思ってさ……」


玲奈は、まだ肩を震わせている。顔を上げると、目尻に涙が浮かんでいた。


「……ねえ、笑いすぎじゃね?」


「だっ……ひっ……だって……!」


玲奈は、必死に笑いをこらえようとしているが、無理みたいだ。


「だって、美咲、そんなに愛情表現が下手くそで、もう……! 小学生の恋愛みたいで……!」


「はあ!?」


「かわいくて、かわいくて!」


「小学生!?」


「だって、そうじゃん! 好きな子に、わざと意地悪しちゃう男子と、やってること一緒じゃん! ビンタとか! もう、小学生の男子かよ!」


「ちょっ……! 私は女子だし、小学生じゃない!」


「一緒一緒! 素直に『好き』って言えないとことか! ツンデレか!」


「つ、ツンデレじゃないもん!」


私は、むすっとした。小学生扱いは心外だ。


「たぶんさ」


玲奈は、ようやく笑いを収めて、お冷やをまた一口飲んだ。


「あいつも、そういう美咲の不器用なの、わかってると思うんだよね」


「……そうかな」


「そうだよ。だから、そういう恋愛を楽しみながら、大好きな女の子(しかも年上)に叩かれるのを、楽しみにしてるんじゃないかな。ドMなんじゃないの、知らんけど」


「ドM……」


「わざわざ、『エロ動画見ました』なんて、普通、彼女に言う? 言わないでしょ。


怒らせるってわかってて言ってるんだよ。わざと、怒らせるようなことしてるってことは、そういうこと」


玲奈の分析は、妙に説得力があった。


「……そういうものなのかな」


「そういうもんだよ。だからさ、あいつがしてほしいんなら、お尻ペンペンも、してあげればいいじゃん。ご要望にお応えして」


「いや、だから、そういうのは嫌かな。私が」


「なんでよ。楽しそうなのに」


「楽しくないわよ!」


「じゃあ、あれは? 正座でお説教」


「……あ、それ」


「ん?」


「それ、ちょっといいかも」


「うわ、そっちなんだ」


「なんか、『あなたは、どうしてあんな動画を見たのですか! この私、美咲先輩というものがありながら!』みたいな。ちょっと、こう、古風な感じで」


「……美咲、あんた、ノリノリじゃん」


「え、そうかな」


「うん。楽しんでるね、後輩彼氏とのその……特殊な関係を」


「でもさあ」


玲奈が、急に真顔になって、私の方にぐっと顔を近づけてきた。


「なに、急に」


「でも、この作者はお尻ペンペンの物語ばかり書いてるんだよ」


「……は?」


「だから、ここは、後輩彼氏をお尻ペンペンする展開にしたほうが、いいんじゃないかな」


しーん。


学食の喧騒が、一瞬、遠くに聞こえた気がした。

私と玲奈の間に、奇妙な沈黙が流れる。


「……あのさ、玲奈」


「うん?」


「……急なメタ発言、やめてくんない?」


「え? なんのこと?」


玲奈は、きょとんとした顔で小首をかしげた。


私は、大きなため息をついた。悩みを相談したのが、間違いだったのかもしれない。


「はー……。もう、なんか、どうでもよくなってきた」


「えー、いいじゃん、お尻ペンペン。あいつ、絶対喜ぶよ。『美咲先輩! もっと! もっと強く!』とか言って」


「やめて! 想像させないで! 気持ち悪い!」


私が本気で嫌そうな顔をすると、玲奈は「ちぇー」とつまらなそうに言った。


「あーーーーー!!!」


突然、玲奈が両手を天井に突き上げて、大声を出した。


「もう、私も彼氏ほしいー! 美咲んとこの後輩みたいな、変態でもいいから、私を溺愛してくれる彼氏がほしいー!」


「ちょ、声でかいって! 変態とか言うな!」


「いいじゃんか! ノロケ聞かされて、 こっちは彼氏いない歴=年齢……は、さすがに嘘だけど、もう1年はいねーんだぞ!」


「あ、ごめんね。彼氏いない人に、こんな話ばっかして」


私が、つい、本音(という名のマウント)を漏らすと、玲奈の動きがピタッと止まった。


「……美咲」


「はい」


「その発言、覚えとけよ」


「……」


「今度の、ゼミの飲み会で、いじめてやるからな。質問攻めにしてやる。


『後輩くんのどこが好きー?』『最近いつチューしたー?』『お尻ペンペンはしたー?』って、大声で聞いてやるからな」


「いやだー! あんた、酔っぱらったら、ホント、タチ悪いんだから!最悪! それだけは勘弁て!」


「知るか! それは、こっちのセリフだ!」


玲奈は、にーっ、と黒い笑みを浮かべている。


私は、学食のトレイを持って、慌てて立ち上がった。


「やばい、次の講義、小テストだった! 行くわ!」


「あ、こら! 逃げんの!?」


「逃げてない! 戦略的撤退! じゃあね!」


「あ、私の食器も片付けといてー!」


「嫌に決まってんでしょ! 自分でやれ!」


私は、玲奈の笑い声を背中で聞きながら、学食を後にした。


(まったく、あいつ……)


でも、玲奈と話して、少しだけ、心が軽くなった気もする。


(愛情表現、か……)


小学生みたい、と言われたのは心外だけど。


(正座でお説教……)


今度、あいつがまた「お仕置きしてください」とか言ってきたら、試してみるのも、いいかもしれない。


……いや、やっぱり、普通に「好き」って言ってあげるのが、一番なのかな。

でも、なんか、照れくさい。


「あー、もう!」


私は、青空に向かって、誰にも聞こえないくらい小さな声で、文句を言った。


「好きって、なんなのよ、もう!」


あとがき

お尻ペンペンしない話はこれがはじめてです(笑)

たまにはそういうもアリ…だよね?

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