旦那ちゃんの帽子は身体の一部~旦那ちゃんと嫁ちゃんシリーズより~
なろラジにあいつらが参戦。
旦那ちゃんは、スマホに夢中で何事かやっている。
どうせ、なろうとかいう小説サイトを覗いているのに違いない。
あ~もう、食事中なのに、せっかく頑張って作ったのに・・・。
私(嫁ちゃん)は、
「ちょっと、食事中はスマホ触らない」
「・・・うん」
生返事だ。
ポチポチとうわの空で、スマホを凝視している旦那ちゃん、まったくいけない子。
よっし。
「うっすいなあ」
と一言。
「なにが?」
その言葉に敏感な旦那ちゃんは、ちらりと私を見た。
「なにがって分かるでしょ」
「うん?分からんなあ」
「髪の毛よ」
「は?」
「か・み・の・け」
「笑止」
「なにが?」
「嫁ちゃんには見えないのか?」
「は?」
「これだから」
と、チッチッチッと人差し指を左右に揺らす旦那ちゃんは続けて、
「心の目で見るんだよ」
と、イミフな事を言った。
「・・・・・・」
「ほらフサフサ」
「どこが」
「ティモテ、ティモテ、ティモテっ!するぐらいロン毛のワシが見えんとね」
「へ、見えないよ。あるがままにしか見えない」
「ふむ、可哀そうに」
「そっくりそのままお返しするよ。その可哀そうな頭に」
「あわわわ」
「ふふ、勝った」
「チミには純真な心が無いんだね」
「はんっ!あそこと胸毛はぼーぼーなのにね・・・残念」
「・・・」
旦那ちゃんは頬をふくらまして何かを訴える・・・知らんし。
夕食後、イオンに買い物へ。
「旦那ちゃん行くよ~」
「ほーい」
いつものように、いそいそとハンチング帽をかぶる彼。
外出の際には必ず帽子が必須なのだ。
きっと、彼のアイデンティティなのだろう。
思わず言ってしまった。
「ハゲ隠しね」
「ハゲ隠し言うな」
ハゲは禁句だけど、まあ、見た目そうだからしょうがない。
・・・だって、しょうがないじゃないか・・・そうなんだもの。
私は事実を正直に告げたまでだ。
「旦那ちゃんの帽子は身体の一部だね」
「・・・違うわい」
年の瀬に 今は無き髪 惜しむ夫(字余り)
嫁ちゃん心の一句。
やめれー(旦那ちゃん)。
ちゃん、ちゃん。
いつもより、ちょっぴりマイルド(笑)。