表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ショートエピソード集 ホラーを除く

夕日の差し込む教室で

作者: 忘れな草

 学校の授業が終わり夕日が差し込む教室での話だった。

「あ……のう。 一条君」

たどたどしい口調で話しかけてきた女の子は三島司(みしまつかさ)さん。

三つ編み、メガネ、読書好きと3つの属性を持つクラスメイトの子だった。


「知ってるよ。 クラスメイトだから」

と僕、一条悟(いちじょうさとる)は答えた。

「悟君のこと私好きなんです」

精一杯勇気を振り絞って女の子が告白してきたのだ。


「俺の何が好きなの?三島さん」

「ドエスなところです。 この前不良に絡まれたとき容赦なくボコボコにして、

唾を吐いて見下したあの目が好きなんです」

「えっ……?」

「あと、その不良の仲間にお前らは価値のないカスだ。 お前の口にはタバコを吸う権利おろか俺と同じ空気を吸う権利もないだろう。 頭の出来も毎回赤点で、下半身しか価値がない男たちだからオカマバーで一生暮らしていろ! っていう口調で罵ったところを聞いて、私もあのように罵られたいのです」


 僕の中で三島さんのイメージである文学少女の像が、音を立てて崩れていくのがどこかで聞こえた気がしたのだ……。

「えーっと。 三島さん俺には君はムリです」

「もっと言ってください」

 俺は無理そうだったので、放置して帰ったのだが、

「放置も最高」と聞こえたのは聞こえなかったふりをしたのでした。


 何度振ってもしつこく付きまとう三島さんに俺の心は折れてしまった。

 ドエムである少女とドエスである少年の恋物語であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 文学少女とヤンキーの新しい恋の形ですな沁々(*´ー`*) もはや、王道と化しているこの手のギャップものですが、ヒロインサイドに裏属性をつけるのは初めて見ましたな。 素晴らしい発想と、憐れ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ