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肉欲の演目と若き乙女の怒り

むせ返るような不快な匂いのする30畳ほどの空間。


その最奥部にある豪奢な椅子に鎮座するのが恐らく“ロード”と呼ばれるこの群れのボスだろう。


身の丈は3メートル程あるだろうか、座っていてもその巨体は見る者に原始的な恐怖を抱かせる。


少し離れた場所には側近だろうか灰色のローブをまとい、杖を持っている個体が1匹。


名前はゴブリンシャーマン、レベルは8。


先ほど外で見かけたゴブリンリーダーはレベル6だったので更に格上だ。


そしてその隣にいるボスの名前はホブゴブリン・ザ・スウィンドラー、レベルは10。


ん?ホブ?スウィンドラー?ロードではない?“ザ”がつくということはやはりボスクラス?


と、頭の中に無数の疑問符がよぎったその瞬間――


「やあぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」


裂帛の咆哮と共にエリスがホブゴブリンに向かい一直線に駆け、大剣をふりかぶり斬りかからんとする。


――エリスがキレてしまうのも無理は無い。


目の前に広がる光景は先のジャスリーンと3匹のゴブリン達が繰り広げていたものよりも、異質でおぞましいものだった。


ゴブリンシャーマンが「ゲギャギャ。ギャギャ。」と何かしら指示を飛ばすのは、ホブゴブリン・ザ・スウィンドラーが鎮座する椅子の前に広がる8畳ほどのせり上がった地面。


その岩でつくられた粗末なステージの出演者は、5人の女性と10匹のゴブリン達。


女性はジャスリーンと同じく粗末な布きれを体に巻き付けているのみ。中にはその布すらも無く全裸の女性もいる。


ゴブリン達は2匹が1組となって女性達の尊厳を犯し、女性達は目に涙を浮かべ悲痛な表情で喘ぎ声を上げている。


四つん這いで後ろから突かれ口も塞がれている者、仰向けのまま股から1匹を受け入れつつ、もう1匹の欲望を早く終わらせたいのか自ら乳房を寄せ挟む者、様々な形で肉欲のショーがステージ上で繰り広げられる。


ただしジャスリーンの時とは何かが違う。


その違和感の出所はステージ中央に置かれた白濁した液が入った壺である事は間違いない。


ゴブリン達は、その壺に入った白濁液を指や自らの欲望の塊に塗りたくり女性の中に入れている。


自分の色欲をぶつけるのみではなく、壺に入った白濁液を女性の中に入れるという明確な目的を持っているように見える。


そして、更に上段に置かれた椅子からその光景を満足げに眺めるホブゴブリン・ザ・スウィンドラー。


特等席から下衆極まりないショーを眺める自身も己の肉欲を大きく膨張させており、股ぐらにいる3人の女性が口や手、胸や脚を使い更なる膨張を促し絶頂へ導かんとしていた。


その3人は早くこの地獄のような時間を終わらせたいという様子と、これから起きる事に怯えるような悲痛な表情をしている。


怯えるような表情が意味するのが何なのか。この後一体何が起きるのかは考えたくもない。


俺でも見るに耐えない光景が広がっているにも関わらず、ゴブリン達のレベル確認をまず先にしてエリスを放っておいた数瞬前の自分の行動が悔やまれる。


エリスは目の前に広がる光景に耐える事ができずに、酒池肉林を楽しむ王の如く鎮座するホブゴブリン・ザ・スウィンドラーへ一直線に向かう。


罠があるとも限らないし、戦闘の火ぶたが予期せぬ形で落とされてしまった。


戦闘開始の初手としては、MMOをプレイする俺ならば絶対にとらない方法だ。


すぐにエリスのサポートに入らねばと思った時には、エリスは女性5人が10匹のゴブリン達から凌辱の限りを尽くされている岩のステージへと差し掛かっていた。


エリスに気付くゴブリン達を一薙ぎにしようとした大剣の一太刀はゴブリンの元には届かずに不可視の壁にでもぶつかったかのように空中でジジジッという音を発しながら阻まれ、逆にエリスは身体ごと弾き飛ばされてしまった。


「きゃあっ!!」


予期せぬ衝撃に体勢を崩し地面へと転がるエリス。


「大丈夫か!」


すぐさまエリスの元へと駆け寄り身体を起こす。


「うん!全然平気。だけど今のは!?それよりもあいつら絶対に許さない!」


「ゲギャギャ!ナンダオマエラ?」


「「!?!?!?」」


冷静さを失っているエリスが立ち上がりすぐに攻撃を行おうとしたその瞬間だった。


ゴブリンが喋るという事実に俺はエリスと目を合わせ思考が止まってしまう。


図らずもエリスに冷静さを取り戻させてくれたのは、俺ではなくゴブリンシャーマンだった。


「オンナ!ジョウトウナオンナ。キサマモ“ロード”ノコレクションニクワエテヤロウ!」


しゃがれていて、不快な声だが確かに俺たちに通じる言葉を投げかけながら下卑た笑みを浮かべるゴブリンシャーマン。


その一言で束の間冷静だったエリスの義憤に火がつきゴブリンシャーマンに斬りかかろうとする。


桜色のツインテールを大きくなびかせ白いミニスカートを翻しながら、大剣を振りかぶりゴブリンシャーマンへ向かい駆けていくエリス。


しかし次は斬撃を繰り出す前に、エリス自身が不可視の壁に衝突し弾き飛ばされる。


「くっ!!」


ずざざーと地面を滑るように吹き飛び地面に倒れるエリス。


白いスカートから伸びる健康的な白い太ももにうっすらと浮かぶ擦り傷。


更に倒れ横たわっている状態ではスカートは本来の機能を果たせずに、隠すべき下着も派手に見えてしまっている。


その姿に興奮したのか、女性達に肉欲をぶつけ白濁した液で内部まで穢していたゴブリン達が「ゲギャギャー!!」と騒ぎたてる。


そのうちの1匹が我慢できなくなったのか、檀上から降りエリスへと肉迫する。


その手や小汚い下半身は白濁した液まみれで見る者の嫌悪感を掻き立てる。


体勢を立て直す前のエリスの太ももや臀部を触りさらにスカートに手をかけ引き裂こうとするゴブリン。


「いやっ!やめてー!!」


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