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Rev.ノブナカ  作者: わたぼうし
【1章】呪われた者達
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【31話】第六天魔王 ノブナガ

そこでは襲撃者と自警団が熾烈な争いを繰り広げていた。

自警団は道幅約10mほどの大通りに木の枠で作った簡易なバリケードを作り、バリケードを挟んで槍で襲撃者の侵攻を抑えていた。

しかし、自警団は15人。対する襲撃者は50人程おり自警団はジリジリと押されていた。


メルギドに住む男たちも加勢し、後方から弓矢を放つが襲撃者の勢いは増すばかりでバリケードも破壊される寸前だった。


「ホニード団長! このままでは、ここを突破されます!」

ユソルペ副団長は必死の形相でホニードへ報告していた。


「なんとか持ち堪えろ! ここを突破されると町は全滅するぞ!」

ホニードは檄を飛ばし自警団員の士気を高めようとするが、皆、襲撃者の勢いと疲労で士気は落ちていく一方だった。


「くそっ!」

ホニードは剣を抜き、決死の覚悟を決めた時だった。

突然、複数の拳大の火の玉がホニードの背後から弧を描いて飛んできたかと思うと、バリケードを飛び越し襲撃者達を襲う。


突然の火の玉に襲撃者達も混乱し、統制が乱れ始めていた。


「なんだ?」

ホニードが後方を見ると、そこにはティア達、月女族が手をかざし火の玉の追撃をしようとしていた。

その隣には馬ほど大きいオオカミのゾンビに跨ったノブナガとミツヒデがいる。


「お… おまえら…」

ホニードが何かを言おうとするが、


「ホニード! 助けに来た!」

それを遮るようにティアが叫び、月女族達は火の玉の追撃を射出した。

射出された火の玉はバリケードを超え襲撃者達に命中すると、小さな爆発を起こし襲撃者達にダメージを与えていた。


「ホニード、話しは後よ! あいつらは何者なの?」

ティアはホニードの横に立ち、襲撃者達を睨む。

襲撃者達は、革鎧やチェインメイル、胸などの急所だけを防御したプレートメイルなどを装備し、手にはショートソードやバスターソード、アックスなど統一性のない武器を持っていた。


「アイツらは最近この辺で暴れてるギゴール盗賊団だ。 戦争が起きれば傭兵団として金払いのいい国に付き、平時は盗賊団としてキャラバンや町を襲っている。 今まではもっと西の方で暴れていたんだが、勢力が増してこの辺までナワバリを広げてきたんだ」

ホニードはギゴール盗賊団を睨みながら説明すると


「ヤツらの数はわかるのか?」

ノブナガがオオカミゾンビの上から声をかける。


「だいたい50人くらいだ。 本体はなんとかここで食い止めているが、町に何人か入られている。そいつらはバハカイの部隊に追わせている」


「ふむ。ワシとミツヒデはこの町に疎い。しかも、町の者と盗賊団の見分けもつかん。 ティアよ、ここはワシとミツヒデに任せろ。町に入ったヤツらを殺せ」

ノブナガがティアに指示する。


「ノブナガ! 相手の数が多過ぎる!いくらノブナガが強くてもムリだよ!」

ティアがノブナガを止めようとし、


「そうだ! まずはココでコイツらを止める。町の中はバハカイに任せておけば大丈夫だ!」

ホニードも叫んだ。


「ミツヒデ、付いて参れ」

ノブナガはティアとホニードを無視し、ミツヒデに指示する。


「はっ」

ミツヒデは静かに応えると、抜刀しギゴール盗賊団を睨んだ。


「ちょ… ミツヒデ?」

ティアがオロオロしていると、


「ゆくぞ!!」

ノブナガは抜刀し叫ぶと同時に、ノブナガとミツヒデはオオカミを走らせバリケードを飛び越え盗賊団の中に突入した。




「一番槍はワシが頂いた! うぉぉおおおおお!!」

ノブナガが乗った馬ほどの大きさがあるオオカミゾンビは、バリケードを飛び越えると近くにいた盗賊団を踏み潰し、その大きな身体で盗賊団達を弾き飛ばしていた。

ノブナガはそのままオオカミを走らせると、片っ端から盗賊団を斬り殺していく。


「おおぉぉぉぉおお!!」

ミツヒデもノブナガに続きバリケードを飛び越し、盗賊団達を斬り殺していった。


先程の火の玉で混乱していた盗賊団は、突然の乱入者で更に混乱し阿鼻叫喚の様相となっていった。


「な… なんてヤツらだ…」

ホニードは呟き、しばらく固まっていたが、我にかえると叫ぶ。


「自警団!! ヤツらに続け! 突撃だ!」

ホニードの叫びに呼応するように、自警団員達は剣を抜き雄叫びをあげて盗賊団に突撃を開始した。


「なんて無茶苦茶な…」

ティアは少し呆れながら、クスっと笑い


「ノブナガ! 任せたわよ!」

と叫び、月女族を引き連れて町の中へ走り出した。


ノブナガの刀は盗賊団のチェインメイルやプレートメイルを、まるで布を斬るように何の抵抗もなく斬り裂き、一振りで首を飛ばし、オオカミの上から突き殺し、瞬く間にそこは血の海と変わり果てていた。


一方、ミツヒデがオオカミと共に盗賊団の中を走り抜けて行く。盗賊団達は何が起きたのかも分からず、ミツヒデを追おうと一歩踏み出した時だった。

「お主ら、動かぬ方がよいぞ」

ミツヒデが静かに声をかける。


「なんだ手前は! ぶっ殺せ!」

盗賊団は叫び、ミツヒデを殺そうと動き出した瞬間、首が落ちる者、腕が落ちる者、下半身だけが歩き上半身はグラリと落ちる者が溢れていた。


「し… 死神だ… 死神が現れた!」

盗賊団はノブナガとミツヒデを恐れ始めていた。



「ワシはノブナガ! 第六天魔王ノブナガじゃ!!」

ノブナガは太陽を背にすると、オオカミの上で刀で天を突き刺すように振り上げて叫んでいた。


太陽を背にしたノブナガには強い影が差し、振り上げた刀が光を反射していた。

それはまるで、この世に舞い降りた武神のようだった。

アネッサはメルギドの町の教会で怪我人の治癒を手伝うと名乗り出ると、アネッサは想像もしなかった事態に巻き込まれてしまう


次回 ルートハイム家


ぜひご覧ください

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