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毒姉たんは気を引きたい

 さて、今日は少し違う人物に焦点を当ててみようか。


 これまでの経緯から、順調にネット小説にハマりつつある毒者たん。

 実は彼女には、歳の離れた姉がいる。

 こちらもプライバシー保護のために名前や容姿などの詳しい描写は避け、仮に『毒姉たん』と呼ぼうと思う。


 毒姉たんは、既に社会人として働いているため毒者たんよりも遅く帰ってくる事が多く、いつも疲れた顔をしている。


「ただいまー」


 今日も今日とて疲れた顔で玄関を開ける毒姉たんだったが、今日はいつものスーツ姿ではなく、華やかなドレスを着ていた。


「おかえりー、どうだった?」


「ええ?……ああ、うん、まあね」


 そう言って、毒姉たんは微妙な顔を浮かべて自分の部屋へと行ってしまった。


 実は今日、毒姉たんは友人の結婚式に出席しており、そこである人物に遭遇した事が原因で心穏やかではなくなっているのだった。

 それでなくてもいい年齢の独り身の女性が、他人の結婚式に出席する時には思う事の一つや二つあるものだ。

 ましてや、それが同級生の結婚式であればなおさらであろう。


 毒姉たんは部屋に荷物を置くと、浴室へ行って汗とメイクを落とし、部屋着に着替えてリビングにやってきた。

 冷蔵庫から缶ビールを取り出し、無言で口を付ける毒姉たん。


「ふは~!!」


 お風呂に入り、お酒も飲んで雰囲気の変わった毒姉たんに、毒者たんはおずおずといった感じで声をかける。


「ねえねえ、今日って()君(仮名)と()ちゃん(仮名)の結婚式だったんでしょう?どうだった?」


()は相変わらずイケメンだった。()は本当に綺麗だった……」


「なら、どうしてそんな顔をしてるの?」


()(仮名)が……いた……」


「あっ、やっぱり()君もいたんだ!元気だった!?」


 実はこの()君と()ちゃん、二人とも毒姉たんの高校の同級生であり、その結婚式には多数の知り合いが出席していた。

 まるで同窓会さながらの結婚式である。

 遠方に行ってしまい中々会う事の出来ない友人も出席しており、昔話に花が咲いたりしたものだが、当然、中にはあまり顔を合わせたくない人物もいる。


 毒姉たんにとってはそれが()だった。


「ああ、うん、まあ元気そうだったよ」


「もう、なんでそんな投げやりなの!?」


「いや、だって……その…………」


「仲直りする良い機会だったじゃない。……まさか毒姉ぇ、一言も話してないんじゃないでしょうね!?」


「…………一言ぐらい話したもん」


 そう言葉を濁しつつ缶ビールに口を付ける毒姉たん。


 顔を合わせたくないとは言っても、毒姉たんは()の事が嫌いなわけではない。

 むしろ、憎からず思っていると言った方が良いぐらいだ。

 なのに、毒姉たんの表情が浮かないのは、二人の確執……というか、ちょっとしたすれ違いが原因だった。


 ()は今でこそ遠方に住んでいるが、実家は毒姉たんのすぐ近所にあり、二人は幼馴染といった関係に当たる。

 当然、毒者たんも()の事は良く知っていた。


 小学校から大学まで同じ所に通っていた二人だったが、流石にその後まで一緒になる事は無かった。

 地元に残る毒姉たんと、家を出て独り暮らしを始める()

 そこで()は、幼馴染という関係から一歩足を踏み出すべく、一念発起して毒姉たんに告白をしたのだった。


「卒業したら一緒に住まないか?」と。


 毒姉たんはテンパッた。

 告白された事もそうだが、まだ付き合ってすらいないのに、その段階を飛ばして同棲の申し込みをされるとは思ってもおらず、加えて、地元企業への内定をどうするか、お互いの親への挨拶をどうするかなど、さまざまな事が頭をめぐり、咄嗟にこう答えてしまったのだ。


「一緒に住むのは無理!!」と。


 下手な告白をした()も悪いが、下手な返しをした毒姉たんも悪い。

 結局その場は微妙な空気になってしまい、それ以降そのまま二人は碌な連絡も取らないまま今に至るという訳だ。


「毒姉ぇのバカー!アホー!愚図ー!チキン!根性無しー!そのまま行き遅れたらどうするつもりだ、このすっとこどっこい!!」


「いや、だって、どんな風に話して良いか分かんないし……」


「いい歳して何言ってるの!?取り敢えず、今すぐ()君の家に突撃してきなさい!!」


()ならもう帰った。だから家に行っても会えないもん」


「ああもう、こんなチャンスをみすみす逃して、このバカ姉は!!」


「……」


「いいから連絡を取りなさい!まだ間に合うから、とにかく連絡を取っておくの。いい、分かった!?」


 結局、そのまま妹に押し切られ、毒姉たんは()に連絡する事を約束させられてしまった。

 部屋に戻り、缶ビールを片手にスマホとにらめっこする毒姉たん。

 しかし、どれだけ画面を見詰めていても、電話はおろかメッセージを送る勇気さえ出てこない。


「……ええい!」


 思い切って、ビールを流し込む毒姉たん。

 どうやら酔った勢いに任せる作戦に出たようだ。


 ……しかし、どれだけ酔いが回っても、恥ずかしいものは恥ずかしいらしく、一向に連絡を取る様子が無い。


「だいたい、今更何て言えばいいのよ?」


 確かに、告白からかなりの時間が経過しているため、今更過去の話を掘り返すのは気まずい。

 結婚式という共通の話題があるのだから、そこを切り口にして徐々に()()()()()方向に舵を切っていけばいいのだろうが、そんな器用な事が出来る人間なら、そもそもここまで変に関係がもつれる事は無かったはずだ。


 結局、毒姉たんは()に連絡を取る事が出来ず、そのまま時間だけが過ぎていく。


「……そういえば確か、ネットに小説とか投稿してなかったっけ?」


 そんな時毒姉たんは、()がとあるサイトに作家として登録していた事を思い出した。

 それは、()が学生時代に作成したもので、毒姉たんはそのアカウントの事をこっそりと知っていたのだ。


 毒姉たんは、普段は読まないネット小説のサイトを立ち上げ、そして、慣れない手付きで()の作品を検索していった。


 幸いな事に、()の作品はすぐに見付ける事ができた。

 しかも、今も書き続けているようで、結構な頻度で更新が為されている。


「ふふふ、相変わらずロボットとかアニメの事ばっかり……」


 酔いも加わって、楽しそうにそれを読んでいく毒姉たん。


「あっ、『一貫』とか……確か、授業で『ヒトヌキ』って読んで、先生に注意されて笑われてたっけ。ホント変わらないな〜……」


 そうして読み進めていく内に、毒姉たんの心にムクムクと悪戯心が芽生えてくる。


「……私が読んでるって知ったら、()、どんな顔するかな?」


 普段の毒姉たんなら絶対にしないような行動だったが、生憎とこの時は普通とは言い難い状態だった。

 結婚式でも酒を飲んだというのに、家に帰ってきてからもう何本も缶ビールを空けている。

 おまけに、普段は心に蓋をしている()の事が、久し振りに会った事で(たが)が外れたように頭に浮かんでくるのだ。


 連絡を取りたいのに取りたくない。

 そんな毒姉たんの心境に、匿名性を保ったまま感想を送れるこのサイトは、正に渡りに船だったのである。


 酔いに任せて、感想欄に文字を打ち込んで行く毒姉たん。


 この感想が毒姉たんだとバレるかバレないかのギリギリのライン。

 一見ただの毒感想にしか見ないが、幼馴染にだけ分かるような情報を散りばめ、送った相手が毒姉たんだという事を匂わせていく。


 今までの想いが溢れてきたのか、毒姉たんは感想を書く事に段々とのめり込んでいき、そして気が付けば、出来上がった感想はかなりの長文で、ちょっと引くぐらいの文量になってしまったのであった。





【気になる点】

時々出てくる『一貫』という誤字は、直さないと恥ずかしいですよ。

辞書を引くかネットで検索すれば分かると思いますが、『一貫』の読みは『イッカン』で「尺貫法における重量を表す単位の一つ」です。

他にも、『一貫した態度を取る』『首尾一貫』などのように使われる事もありますが、どちらにしても、日本では(特定の職業を除いて)尺貫法は廃止されております。

煮え切らない男は嫌われますよ、一貫した態度を取れるようにしましょう(笑)


自らの過ちは、素直に謝罪しましょうね。


【一言】

全体的に「スパ○ボ」に関連する話が多く、好みではありません。

そういった話が書きたいのであれば、タイトルやあらすじをそのように訂正するべきではないでしょうか?

このままでは、何の話が書きたいのか全く分からないです。


また、こういった切り口の話を書くのであれば、もっと広い視野を持って多くの作品を観ておくべきではないでしょうか?

今ではネット検索をすれば、多くの作品が観られるのですから、その努力を惜しむのは間違っていると思います。


それと、書くべき部分はもっと焦点を絞った方が良いように思われます。

冗長な文が読みたい人ばかりではないでしょうから、上手くまとめて分かりやすい文章に直すだけで、だいぶ印象が変わるはずです。

おそらく、作者様は典型的な整理整頓が苦手なタイプの人間なのでしょう。

そういった事を言われた事はありませんか?

きっと心当たりがあると思います。


取り上げるネタに対する熱量の差は仕方ないのでしょうが、ほんの少ししか触れられず、そのまま放置されているネタに対しても意識を向けるべきではないでしょうか?

作者様がどう思っているかは知りませんが、そのネタに触れない事で傷付く人間もいるという事を、もっと自覚して下さい。






「ちょっと気持ち悪いかな……?」


 しかし、アルコールのせいで正常な判断のできない毒姉たんは、全く気にすることなく送信のボタンを押してしまう。


「もう……これで気付かなかったら、知らないからね!!」


 画面には『送信しました』の文字。


 毒姉たんはそれを確認する事なく次のお酒に手を伸ばし、いつしか夜は更けていったのだった。





 ――翌日、毒姉たんのスマホには『メッセージがあります』の文字が表示されていた。

※今回の毒感想に関しては、元の感想に手を加えてかなり脚色してありますが……まぁ、そんなに雰囲気は崩れていないと思います(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ……こんにちは。 とても、とても面白かったです。 ですが、先程からなんだか指が震えております。 とうとう毒姉たんまでやってきてしまいました。 [一言] 懺悔いたします。 わたしもこれやりま…
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