毒者たんはご近所さん?
さて、あれから幾度かのセクハラトラップに引っ掛かり、何度も顔を真っ赤にして、ようやく毒者たんはえっちい作品が結構な数存在する事に気が付いたようだ。
全年齢対象の少年誌に載っているようなえっちいのは流石の毒者たんも大丈夫だが、ヤング○二マルに掲載されているようなえっちいのは、未だに慣れないらしい。
興味のあるお年頃なだけに、想像力が実際の文章以上にえっちく感じさせているのかもしれない。
特にそういった作品は男性の欲望を反映させている事が多く、主人公とヒロイン達がえっちく絡むのが特徴だったりし、複数の女の子とイチャイチャし出した日には、毒者たんは急いでブラウザバックをしていた。
そうして何度かのエロトラップに遭遇した結果、毒者たんは『ハーレム系』の作品を避ける事を覚えた。
方法は簡単。
作品を読む前にタグやあらすじを見て、『ハーレム』などの単語が存在しないか確認してみればいい。
勿論、完全に回避できる訳ではないが、明らかなトラップを踏まない事は可能である。
そこで、次に毒者たんが選んだのは『コメディ』ジャンル。
コメディなら明るい作風の物が多く、そこまで極端にえっちい作品は無いだろうという安易な考えからの行動だ。
そして、運よく当たりの作品を引き当てた毒者たんは、その作者の作り出す世界観に引き込まれていったのだった。
「この作品面白いな~……あ、この作者さん○○県に住んでるんだ。なんか親近感湧くな~」
実はこの作品の作者、自身が住んでいる○○県が大好きで、作品の中でも度々地元のローカルなネタを披露しており、あまりにピンポイント過ぎて、毒者たんも「ご近所さんか!」と何度かツッコミを入れていた事がある。
ただ、北部や西部の話題が多く、毒者たんの住んでいる場所からやや離れた地域の出身では無いかと思われた。
「むっ、今度はあそこのネタか。微妙に私の住んでいる辺りが避けられてるんだよね~……」
だからどうしたという話だが、一度親近感が湧いてしまうと、地元の話題が登場するとテンションが上がってしまうもので、そうなると今度はもっと身近な場所の話題が出てこないかと期待してしまうものである。
「惜しい!そこはギリギリ生活圏外なの!あ~、何でそこなの?何で微妙に場所を外すの??」
しかし、その後どれだけ回を重ねても、毒者たんのごく身近なローカルネタは登場してこない。
その結果、この作品が好き過ぎて他の人の感想まで読破していた毒者たんは、そこで繰り広げられていたアットホームな雰囲気に毒された事もあり、つい感想欄に文字を走らせてしまった。
【一言】
『作者は○○県好きを公言していますが、北部から西部の話しかしていません!○○県好きを公言するならもっと東部や南部にも触れるべきです。そのくらいで「○○県大好き!」と言われても困ります!!』
「……よしっ!」
誤字などが無い事を確認し、毒者たんは送信確認のボタンをタップしたのだった。
――その後、冷静になってものすっごく恥ずかしくなった毒者たんは、急いで感想の削除をし、頭を抱えて羞恥に悶えたそうです。
「……あぅ~」
作者「……えっ、そこ追及されんの!?」