表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れられた元勇者~絶対記憶少女と歩む二度目の人生~  作者: こげ丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/59

【第25話:予定外の休息】

 その日は明日の予定を立てると、あまり長話はせず、旅の疲れをとるために二人とも早めに就寝する事にした。


 オレも知らぬ間に疲れが溜まっていたようで、ベッドに寝転がるとすぐに意識がなくなってしまった。

 少し硬めの粗末なベッドだったが、旅の野宿よりは遥かに気持ちよく眠る事ができ、その日の目覚めは中々良好だった。


 大雨でさえ無ければ……。


 買い物に行く予定なのに嫌な雨だとベッドで少し微睡(まどろ)んでいると、部屋の扉がノックされる。


「テッド~起きてる~?」


 周りに気を遣っているのか、少し控えめなリシルの声だった。


「あぁ、もう起きてる。ちょっと待ってくれ」


 そう言って扉の前まで歩くと。(かんぬき)をあげて扉を開ける。


「おはよう。テッド。今日の予定だけどどうする? 出発は明後日だっけ? まだ一日あるよね?」


 どうも遠回しに買い物に行きたくないと言っているようだ……。

 サラサラと(なび)く銀髪の先を指先でクルクルと回しながら、年相応の少し拗ねた表情を浮かべている。


「たまには宿でゆっくりするか。別に買い物は明日でも構わないしな」


 オレも随分甘やかしているなぁとは思うが、無理して今日準備を進める必要もないだろう。

 そもそも最低限必要なものは全てリシルの魔法鞄に入っているし、オレもいざとなったら昔使っていた次元収納リングにありとあらゆるものが入っている。


 ただ、このリングに入っている物を取り出すのは最終手段だ。

 このリングはリシルにあげた魔法鞄より更に稀少な魔道具で、遥かに多くの物を収納できる。

 しかも、収納されている間は時間経過が非常に緩やかになるというおまけつきだ。


 そんな高性能な魔道具なのだが……ちょっと高性能過ぎた。


 当時勇者だったオレに教会から授与された物なのだが、贈呈される際に所有者識別による不正利用防止機構が設けられていたのだ。

 そして所有者の識別は魔力によって行われる仕組みだったため、今のオレが利用すると非常に面倒な事になる。


 一言で言うと『非常に痛い』のだ……普通の冒険者なら死ぬんじゃないかってぐらい……。


 どういう仕組みで判定されてされているのかわからないが、辛うじて利用はできる。

 出来るのだが……撃退用の雷撃も同時に放たれるのだ。


 聖魔輪転によってオレの魔力の性質が変化してしまった為だと思うが、何らかの誤作動を起こしているのだろう。


 教会にはこの所有者の書き換えが出来る別の魔道具があるようだが、オレに授与した事は忘れられている為、行けば盗品ではないかと騒ぎになるのが目に見えている。


 よってこのリングを利用するのは最終手段と言う訳だ。


 余談だが、聖魔輪転後に全ての仲間や知り合いから忘れられ、その事実にうちひしがれながらも何とか街に辿り着いたと言うのに、お金を取り出そうと街中で利用して死にかけた……。


 一瞬何かの天罰がくだったのかと焦ったが、一番焦ったのはお金を取り出そうとした客が、いきなり雷に打たれて倒れたのを目の前で見せられた露店の店主だっただろう。


 今でこそ笑える話だが、当時は随分凹んだものだ。

 戦っている途中に使用しなくて本当に良かった……。


「良かった~♪ テッド真面目だから雨の中でも『予定通り買い物に行くぞ!』とか言うんじゃないかと心配してたのよね~」


 結構リシルに合わせて融通を利かせているつもりだったが、オレはそんな風に見られていたのか……。


「ちょっと酷い言われようだが……まぁ良い。それじゃぁどうする? 部屋入ってくか?」


 扉の前で立ち話をしていたので部屋に入るかと聞いたのだが、


「えっと……入っても良いけど、変な事しないでよ?」


 だからオレの事をどういう風に見ているんだ……。


「何もしねぇよ……もう自分の部屋に帰るか?」


 少し呆れながらそう返すと、


「じょ、冗談じゃない。じゃぁお邪魔しま~す♪」


 そう言ってようやく部屋に入ってきたのだった。


 ~


 この『夢見る砂の宿』の泊まっている部屋は、狭い部屋だがベッドの他にも小さなテーブルと椅子がある。

 オレはリシルを椅子に座らせると、


「ちょっとトリエンティーを淹れてもらってくるから、そこに座って待っててくれ」


 と言って1階に降りようとしたのだが、そこに待ったがかかる。


「ちょっと待って! ……じゃ~ん♪ もう貰ってきちゃった♪」


 大袈裟に身振り手振りをつけてそう言うと、魔法鞄からコップを二つとトリエンティーが入っているであろう水筒を取り出す。


 こいつ……最初から買い物行かずに、オレの部屋で過ごす気満々だったんじゃないか……。


*****************************

テッドとリシルのちょっとした日常も

この作品では大事にしたいと思っています☆


少しでも楽しんで頂けましたら、最新話下部にある評価ボタンを

ポチっと応援よろしくお願いいたします(*ノωノ)


これを励みに頑張りますので、どうぞ宜しくです♪

*****************************

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ