昼休み
授業が始まる前に俺は男共から、エイミは女の子達から質問責めにあった。
俺は基本スルー、エイミは楽しそうに返答してた。
健太が「エロゲ大好きなお前にあんな超絶美少女な彼女がいるわけがない!最近話題のレンタル彼女なんだな!そうなんだろ!答えてくれよ!」と的外れのことをうるさく言ってきたので、とりあえず一言だけ言おう。
「エイミは俺のだ。俺の彼女に手を出したらぶっ殺すから」
すごい優越感。彼女持ちが勝ち組とはまさにその通りだな。あの弟でさえ俺を羨ましがっていたからな。
その後授業は進み昼休みになった。
授業は、全然ついていけないこともなくむしろ余裕でした。エイミは頑張ってノートを取っていたがまず理解してないだろうな。テスト前には手取り足とり教えてあげよう。
「昼食はどこで食べますか?」
「うーん、教室でいいけど、それ以前に俺まだ弁当貰ってない」
「私も受け取ってません。ナーシャが弁当は後で渡すと言っていましたけど」
ナーシャはうちのメイドの中で一番料理が上手い。他のメイドも料理はできるがナーシャと比べるとやはりナーシャが格別だ。
異世界ではナーシャが基本料理担当。それは地球でも変わらずだ。
「もうちょっと待って来なかったら、ナーシャのクラスに行ってみるか」
「そうですね」
五分後、ナーシャは現れなかった。
「ナーシャのクラスに行くぞ」
「はい」
そうしてナーシャのクラスに向かう…
「…ナーシャのクラスってどこ?」
「3Aです」
エイミに呆れられた。仕方ないだろ!お前ら俺にどのクラスに決まったとか一切言わなかったし!
3Aの教室前にやってきた。これで俺は昼飯を食べることが出来る!
「ナーシャさんはいますか?」
扉は開いていたので少し中へ入り、ナーシャを呼ぶ。俺は上下関係は弁えているのでこの場では敬語を使った。
クラスのほとんどが俺に目を向ける。そして、
「また挑戦者か」
「てかあの子2年だよ。3年だけでなくて2年まで虜にするとは...」
「ナーシャさんの魅力はこんなにも早く下級生に伝わるのか」
「俺が玉砕したんだ。あの下級生では無理だろ」
小さい声で言っても、俺は耳がいいので全部聞こえてますよ。感想、ナーシャすごい。もう告白されてる。どんなことをすれば転校1日目で複数の男に告白されるのだろうか?そんな珍しい人もいるんだな。
…あ、エイミも告白されてたわ。
とにかく今は弁当だ。ナーシャは、っと。…いないだと!!
俺の昼飯がまた遠のいた。膝をついてしまう。魔王でさえ俺が膝をついた姿を見ることが出来なかったのに。
「すいません、ナーシャはどこにいますか?差し支えなければ教えてもらってもよろしいですか?」
俺がショックを受けているのでエイミが代わりに近くの女の子に尋ねてくれた。ありがとう、エイミ。それだけで俺の心は回復するよ。
「………ええっと、た、たぶんだけど屋上とかだとお、思うよ」
「わかりました。ありがとうございます」
尋ねられた女子はエイミの姿を見て少し固まった後に何とか持ち直して答えた。
「やばい!やばい!」
「何あの子!可愛すぎる!」
「神秘的だ〜」
「ナーシャさんと同じレベルだと!」
「新しい恋心が芽生えた!」
さっきまで静かなクラスだったが、お祭り騒ぎになっている。なんか既視感が…おそらくこの流れは、
「「「俺と付き合ってください!」」」
「私が屋上に向かうので、旦那様はここで待っていてください。ナーシャが戻って来る場合もあるので」
「「「まさかの告白無視!そして旦那様だって〜!」」」
コントでもしてるのかこのクラスは?告白した男達が崩れ去っていく。
早く弁当が食べたいな。
「主様、ここに居らっしゃたのですか?」
エイミが屋上へ向かおうとしたところ、ナーシャが現れた。
やっと、やっと飯にたどり着ける!
「ナーシャ、どこにいたんですか?旦那様がお腹を空かせて待っていたのに」
「ごめんなさい、主様。少し色々ありまして弁当を届けるのが遅れました」
「いいよ別に。美味しいナーシャの弁当を食えることに変わりないから」
「主様〜!」
ナーシャが俺をぎゅ〜っと抱き締めてきた。俺の言葉がそんなに嬉しかったらしい。
自分で言うのもあれだがキザなセリフだったな。まぁでも事実だし。
「では、弁当を食べましょうか。もちろん、エイミも一緒に」
ナーシャの席に案内されたが、3人で机1つは厳しいので使われていない机を借り机を合わせて弁当を食べた。
そこら辺で叫んでいる奴が多数いたが、昼休みを楽しく、美味しく過ごした。
テストが忙しいので次話は土曜日に投稿します。ご容赦ください