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転校生

頭のおかしな奴以外にはとくに声をかけられることもなく、校門に着いた。それでも、視線は大変もらいましたが、(もちろんユナ達に向けてです)。


「まず、職員室にいくぞ」

「ご主人様も行くのですか?」

「俺も久々の登校だから先生達に挨拶ぐらいしておこうかと」

「なるほど」


ずっと行方不明だった生徒が登校するんだ。一応挨拶するのが礼儀だろう。(事前に無事なことと今日から登校することは伝えてはいる)


そういって職員室に行き、顔見せはした。ユナ達はそこで別れた。


そして、俺は久々の教室へ足を踏み入れた。・・・めっちゃ見られる!!


「九郎!無事だったんだな」


俺の数少ない友人一号の山内健太がものすごい勢いで迫ってきて俺の肩を持って揺さぶってくる。心配してくれていたことは嬉しいんだが、そんな揺さぶると俺の朝ごはんがでてきちゃうだろうが!


「そんな揺さぶんな。いろいろあったけど無事だ、てか担任から聞いてたんだろ?」

「ああ、先生から聞いてたけどやっぱり実物見るまでは信じられなくてな」


周りの連中からもおかえりなどと声をかけてくれる。いい奴らだな、でもごめん名前思い出せないや。てへっ。


「お前それで何があったんだ?」

「それは後で話す、もうチャイムなるだろ」


そういうとちょうどチャイムが鳴った。健太はしぶしぶといった様子で席へ戻って行く。


担任がチャイムから少し遅れて教室へ入ってきた。


「ホームルームを始める前に2つ話がある。まず小鳥居、お帰り。授業はみんなより遅れているがお前なら大丈夫だろう。分からないことがあったら誰にでも聞け。みんな教えてくれる」


担任ってこんなに優しい奴だったんだな。周りの奴も頷いている。みんなやさしいな。


「そしてもう1つだが、転校生がこのクラスに来るぞ。喜べ男共、めっちゃ可愛い子だから。俺も妻とかわいい娘がいなければと考えなくもないほどの可愛さだ」

「「「まじ!」」」


前言撤回、この担任くず。

生徒はまぁわかる。クラスに可愛い子がいるだけで嬉しい。あわよくば、なんて考えてるやつもいるだろうし。絶対にお前らに靡くわけないけど。


「転校生はいっていいぞ」

「はい」


そうして入って来たのは・・・


「エイミ・・クラウンです。みなさんこれからよろしくお願いします」

「「「「「・・・」」」」」」


俺以外の生徒がみんな固まっている。


白く雪のような肌。誰もが吸い寄せられてしまう瑠璃色の瞳。薄紅色の唇。美しい銀髪。幻想と感じるほどの美しさ、それでいてあどけなさもある。端的に言うと超絶美少女。アイドル、女優でさえ彼女には叶わないと断言できる。


うちのクラスに来たのはエイミか。誰が来るのかメイド達の誰も教えてくれなかった。楽しみはとっておけとか言って。


「クラウンは留学生でもある。でもこの通り日本語はペラペラだから誰でも声をかけてあげてくれ」

「質問です!好きなタイプを教えてください!」


健太が誰よりも早く声をかけた。お前フライングだろ。


「そうですね…」


エイミとバッチリ目が合う。そのまま目を逸らさず質問に答えた。


「少し頼りなくて、エッチで、メイド好きな変態で私よりゲームを優先するような人だけど、いざって時は必ず助けてくれて頼りになるそんなおかしな人が好きです」


公開処刑ってこんな感じなんだろうか。めっちゃ恥ずかしい!でも好きって言われて嬉しい。

てか具体的過ぎるだろ。当てはまる人物なんて俺以外いるのだろうか?


「俺、山内健太って言います。エイミさんの運命の相手だと思います。付き合ってください」

「俺は谷本深夜です。メイド好きな変態は俺です。付き合ってください」

「俺は…」

「俺は…」


すげぇ、クラス男子のほとんどがエイミに告白してる。その告白自分が変態って認めてるようなもんだろ。

恋は盲目と言うが、エイミが俺を見ていることに男どもは誰も気づいていない。女子の一部は驚いたように俺のことを見ている。女ってすげぇ、これだけである程度わかるのか。


「ごめんなさい。すべてを捧げると決めた人がいるので」


エイミ、そろそろこっち見るのやめない?俺は視姦されて喜ぶ趣味はないからな!

男たちの目からは光が失われた。お前らにはお前らに合った彼女を見つけることができると思うから!多分…。


「とりあえずクラウンは一番後ろの空いてる席に座ってくれ」

「はい」


後ろの空いてる席?バッチリ俺の隣。隣に誰も座ってなかったから薄々そうなるとは思ってたけどね。いや〜ラッキー。

彼女と隣の席でイチャイチャできるんだぞ。俺が高校生活で絶対やりたかったことだ。


エイミが俺の隣へやってくると俺の耳元で囁いた。


「旦那様、大好きですよ」

「俺も愛してる!」


俺はエイミへの愛情がほとばしった結果、大声で愛を叫び、思いっきり抱きしめた。


「「「「「何っっっーーーー!!!」」」」」


あ、やべ!俺らの関係性すぐバレた。

エイミめ、この一連の流れ分かってて言いやがったな。俺の胸でプルプル震えて笑ってやがる。地球こっちでも相変わらずだな。








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