久しぶりの登校
今俺は久しぶりの登校の最中だ。見慣れた景色、知り合いのご近所さん、大変懐かしく思える。
「ご主人様の住む世界は大変静かですが発達していますね」
「ほんとだよ!私あれに乗ってみたい!あの道を走ってるやつ!」
「ミレア、興奮しすぎ。気持ちはわかるけどおさえなさい。九郎様に迷惑がかかるでしょうが」
俺はそんな景色の中でいろんな人たちから視線を集めまくっている。それは仕方がないことだとわかっている。だって俺の周りではしゃいでいる女子達は絶世の美女、美少女と言えるほどの美貌とプロポーションを兼ね備える女子高生だ。
黄金に輝く金髪で、碧眼。制服の上からでもわかるほどの双丘を持つエルフのユナ。
艶やかな黒髪、天真爛漫で笑顔の絶えない猫人のミレア。
燃えるような赤髪で引き締まった体をもつ元冒険者で狼人のアイシャ。
ちなみにエルフや獣人とはバレないように認識阻害の魔法をかけている。
こんな三人に囲まれながら歩いているとまぁ目立つ。嫉妬や羨望の視線だらけだが俺が気分を害すことなんて全くない。だってユナもミレアもアイシャもみんな俺のメイドであり恋人だ。恋人と登校しているんだぞ!こんなハッピーな気持ちなんだ。俺が気分を害すことなんて絶対にありえない!
「ナーシャ達には感謝しないといけないですね」
「そうよね。九郎様と一緒に登校させてもらえているんだから」
俺にはまだメイドがいる。その数は10人。その全員が俺についてきて地球にいる。
ユナ達以外のメイドは先に登校または出勤している。留学生として俺が通う学校へ転入してくるように細工した。(2名程生徒では無理があったので教師として)
ただ手続きがあるとかで先に登校したのだが、メイド達は俺を一人にすることを認めなかったのでユナ達が一緒に登校している。ユナ達の転入に当たっての手続きはナーシャがなんとかするとかなんとか言っていたので問題はない。
ちなみにこの三人が選ばれたのはじゃんけんで勝ったから。ナーシャ達七人はすごい凹んでいたがユナ達はガッツポーズをし、喜んでいた。いや〜、そこまで喜んでくれるとはこちらも嬉しかったです。
「うちの高校の制服着てるみたいだけど君達、留学生?」
俺が幸せな気持ちに浸っている時間を邪魔するなんて天誅だ!
睨みをきかした目で、声のする方を見るととなんかイケメンがユナ達に近づいていた。
うちの学校の制服を身につけているが、少し着飾っている。校則は緩かった覚えがあるのでそういうことをするのは問題ないんだが、イケメンがさらにイケていくのは腹たつな。
「そうですが」
「やっぱりそうなんだ。俺は宮内光輝、二年生よろしくね。よかったら一緒に登校しない?学校まで案内するよ」
「はぁ・・・?」
ユナが対応しているがイマイチこの状況がわかっていない様子だ。てか、こいつ俺のこと全く気づいてなくね。美女に興味がいくのは理解している。だが俺を無視するなんていい度胸。それ以前に人の女をナンパし、連れ去ろうとするなんてやったほうがいいか。
「おいそこのイケメン。ユナから離れろ」
「・・・君は誰だ?彼女達の知り合いか、そうでないなら邪魔しないでくれる?」
「もちろん知り合いだ。困惑しているだろ、お前のせいで。だから離れろ」
「君が彼女達の知り合い?君みたいな人が、なんの冗談?」
え、なにこいつ。可愛い子の知り合いはかっこいいやつに限る!みたいに思ってんの。まじ、頭いってるんじゃないのだろうか?うちの高校はいつからこんなバカが入学できるようになってしまったんだ。
俺の怒りが悲壮に変わってしまった。もう正直こんなバカ相手にしてるだけ面倒だな。よし、久しぶりの登校を再開しよう!
「ユナ、ミレア、アイシャそんな奴ほっといていくぞ。一応お前達にも軽く転入手続きあるはずだから、そんなにゆっくりしてられないぞ」
そう声をかけどこぞのイケメンを振り切ろうとしたんだが、ユナ達がイケメンにものすごい殺気を放っていた。
「ご主人様を侮辱しましたね殺しますよ」
「主に暴言吐くなんて許せない」
「九郎様殺してもいいですか」
「ひぃぃぃ」
イケメンが殺気にやられて尻餅をついた。イケメンが尻餅。いい気分だな!もう気持ちは晴れやかだ。
「俺もそこのバカを殺すことも考えたがそれはなしだ。ここはあっちと違うんだ。殺しは重罪になるんだ。よって殺すことは禁止」
「「「わかりました」」」
そんなこんなでイケメンはほっといて登校再開する俺たちでした。