小説を書いていて、心がぽっきり折れてしまいそうな方へ。
エッセイを書くのは初めてですが、似たような方もいるのではと思い、何かの役に立てばと記載をさせていただきます。
約3年ほど執筆をし、途中でぽっきりと心が折れ、そして再起して考えを改めるまでのエッセイです。
小説家になろう。
そのような小説投稿サイトで、日々執筆しております。
苦しくなるときはありませんか?
私の場合、そのようなときは大抵「ポイント増えないなー」とか「むしろ減ったYO!」あるいは「アクセスが減ってゆく」などマイナスの結果がある時です。
こればかりは幾ら書いても慣れませんねw
楽しく執筆をしているのに、どうして結果を見ると苦しむことになるのか。
それがいまだに不思議でなりません。
結果を見て「下手くそ」とか「その展開は無いわー」など思われているのかなと、ドキドキする事も多いです。
しかし、その考えは間違っているのでは?ということに、3年ほど書いてようやく気づきました。
どうして楽しく書いているのに、ポイント結果により簡単にひっくり返るのでしょう。
小説家になろう
恐らくは、このサイト名がいけません。
まるでゴールは「プロ小説家になること」のように聞こえます。
ポイントが増える=プロ小説家への道が広がる、という図式ですね。
仰りたいことは分かります。
サイトにアップし、見ていただいた時点で「あなたはもう小説家ですよ」という夢のある場なのでしょう。
しかし、本質的には真逆なのではと考えます。
恐らくは多くの方がプロの小説家を目指しており、そのような実績あるサイトだからこそ選んでいるのではないでしょうか。
そこまで行かなくて、単に「たくさんの人に読んでもらいたい」と願っている方も多いでしょう。
さて、話は過去に戻りますが、私は大体3年ほど執筆をしております。
初年度は60万文字、2年目は300万文字、そして今年は70万字ほどの文量です。
こちらを順に振り返ってゆきますね。
恐らく1年目は多くの方と似たような状況なのではと思います。
◆1年目
まず、ポイントがまるで付きませんでした。
1話に1ブクマがつけば良いほうで、最終的には30万字弱で80ブクマ、アクセス数もまるで増えません。
一括ダウンロードをされるとアクセス数が跳ね上がり「今日はなんなの!?」と怯えるほどでした(笑)
いま読んでも多少は楽しめるので、そこまでひどい内容では無かった気もします。
が、結果は残酷ですねぇ。
「ブクマしました。私の小説も読んでください」
という感想が幾つも付き、ついに私の筆はメキメキと音を立てて折れました。
ほんとね、こういうのはやめて下さいね。
文面から「ブクマはしたけど読んでません。あなたは読んでください」という風に読み取れちゃいますから(笑)
とはいえ、私は低ポイントに焦ります。
タイトルが悪いのか、あらすじが悪いのか、宣伝しないと駄目なのか。ペンネームは? 文章は? なにが受けるの? アップ時間? 自分は下手くそなの?
などと全てを疑ってしまい、モチベーション崩壊待った無しです。
下手にSNSで宣伝を始めたのも、悪い方向へ傾きました。
慣れていないこともあり、まるで反応が無くて執筆に響くほどでしたねぇ。
そうそう、カク○ムさんにも掲載をしましたけど、これがまた笑えるほどの低アクセス(笑)
私のなかで「無かったこと」として封印されました。
超豆腐メンタルです、この時は。
だって作品に自信が無いんですから。
たぶん「つまらない」という一文を書かれただけでショックを受けていたでしょう。
ただ、この時は「読んでもらいたいだけなのに、どうして苦しまなければいけないのか」という理由がまるで分かりませんでした。
結果的に、もう二度と書かない!と思うほど打ちのめされました。
◆2年目。
ふと思い立ち、別サイトで書くことにしました。
散々打ちのめされたけど、なんとなく「書かないと落ち着かない」と思うくらいにはしぶとくなっていたのかな、と思います。
まあ、単純に書いていて楽しいですからね。お金もかからないですし。
そこは少人数サイトなので、小説家になろうに比べるとアクセス数やポイント数が多く、そして感想なども頻繁にいただける場所でした。
すると、今まで分からないものが見えるようになってきます。
どういう展開が求められているのか。
どういうキャラクターが求められているのか。
感想を通じて読者の声を聞けるようになると「こういうのを楽しく感じてもらえるのか。なるほど、じゃあこの流れは駄目だな」などと、2年目にしてようやく学習機能が働き始めます。
この一年はとにかく「掴んだ」と「やっぱ掴んでなかった」を繰り返す、試行錯誤の一年でした。
大して才能も無いので、成長を促すためとにかく文章量を書きまくる。
書いて書いて、書きまくる。
そして感想を聞いて、なるべく小説のなかで楽しませるということに没頭します。
壮大なストーリーよりもシチュエーションなどの一場面を考えることに思考は傾き始め、徐々に一話ごとの密度が増しているような、そんなことも無いような、微妙な成長を繰り返してゆきます。
ここで気づいたのは、「どのように読んでもらえるか」という客観的な視点が必要という事でした。
だから悪いことを感想を書かれても「それは勉強になる」と前のめりに考えることが出来ます。
いくら楽しい文章を書いていても、次の話で期待を大きく裏切れば台無しです。マンネリは大敵だし、山を意識すると書くべき展開もある程度は決まってきます。
執筆を楽しみつつ、同時に楽しく読んでもらえる内容を思考錯誤し、その結果を次回に活かす。
そのような事をしているうちに、ふと気づきます。
最初にうち書いていた小説の下手糞さに(笑)
顔を真っ赤にして破りたくなるような、そんなひどい小説がそこにありました。
あれぇ、自分で書いたものなのに!?
◆3年目
はい、なろうに戻ってきました。
別にリベンジしたいわけでもなく、ふらりと戻ってきたような感じです。
成長したような、そうでも無いような、そんなふわっとした気持ちでした。
とはいえ、もうあの時のような無駄な気合はありません。
宣伝もしないし、相互評価とかの魅力にソワソワすることもありません(笑)
ただただ、楽しむこと。
そして読んでいる方も楽しめれば、お互いに幸せになれて良いじゃない、くらいのゆるい気持ちです。
そういうわけで、いつものように逆算開始です。
どうすれば楽しく書けるのか、やっぱり女の子、できれば少女くらいが嬉しいな(変態なんです)。
ヒロインは永遠の16歳、エルフにしよう。
主人公と日本で一緒に暮らそう。日本文化に驚いてもらおう。
でもやっぱり剣と魔法は使いたい。ファンタジー好きだし。
ならキャラクターは、設定は、背景は、エンディングは、などと数日かけてボンヤリと要素を埋めてゆきます。
これまで幾つも書いて思いましたが、結局のところ自分が楽しく書けなければ駄目なようです。
己の中で欲望が働いて、それに読者の期待などが混ざってゆけば、思わぬキャラクターの成長、ストーリー展開を望めるからです。
キャラクターが不意に息づく瞬間が、私はとても好きです。
ただの活字なのに場面が浮かぶ。
セリフは少ないのに活き活きと話しているように感じる。
そんな感覚になるまで書きたいなぁ、という欲も湧いてきます。
試しに数万字を書き、自分が楽しめることを確認してから一話ずつ予約登録をしてゆく。
なんとなく、単行本が埋まってゆくようなワクワクした思いを感じながら。
小説家になろうのサイトは久しぶりだけど、キャラクターを楽しめてもらえるかな。
ここの展開はスローだけど、日本を感じる良い味を出しているね。
などと客観的に評価をしつつ、予約登録を繰り返す。
私の評価では、これくらいのポイントになるだろう。
もしこれで受けなければ、切りの良いところまでは書いたのだし終了すれば良い。
そのように心構えも以前とまるで変わりました。
「受けろ、受けてくれ、受けて欲しいんだよーー!」
から
「まあ、合わなかったら合わなかったで」
という変化です。
自分では楽しめても、それで受けるかどうかは分かりませんからね、結局のところ。
まあでもたぶん、楽しく読んでくれそうな気がする。
もし大丈夫そうなら長く書いてみたいなぁ、という思いもありつつ、ぽちっと公開ボタンを押しました。
小説家になろう
なるほど、そういう意味だったのか。
3年書いてようやく分かったけれど、
結果はポイント数とかじゃなくて、
どれだけ楽しんでもらえるか、なのか。
自分が楽しめて、相手も楽しめるようになれば、
もう既に「小説家になっている」のかもしれない。
長い年月は経ったけれど、
これでようやく「小説家になろう」へ小説を掲載できたように思えました。
でもまあ、やっぱり人間だもの。
ポイント数は気になりますよね(笑)
結局3年経っても、まだまだ成長は必要なようです。