新たな修行
遅れたっす。すんまへん
やあ。一夜だよ。
この三ヶ月間、地獄見てぇな修行してたからか身長が伸び、体格もがっしりとしてきました。ほほ肉とか、余計ふな脂肪がなくなり、シュッとしてきましたね。やったぜ。
ところで、修行の事なんだけども・・・うん。変わらず地獄そのものだね。付与と身体強化を使いながら全力ダッシュとかもうやばいって。重さ10kg以上ある双剣持ちながら走るからめちゃくちゃキツいし、バランスもとりにくく走りにくい。慣れるまでが大変だったなー。
それより、なんか師匠が新しい修行するとかいってたけど何やんだろ。すげえ怖いよ……。
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「さて、今日は実戦的に行くぞ。」
と、師匠が言った瞬間、修練場が森になった。うん。何言ってるか分かんないだろうし、修練場が森になったなんて凄まじいパワーワードだけとホントにそうとしか言いようが無いんだよね。
「ええっと…森?どういう事ですか師匠……?」
「うむ、一夜には森の中で戦闘訓練を行って貰う。足場の悪い中での戦闘訓練だ。良い経験になるぞ。」
「な、なるほど…でも戦闘訓練って敵とか出て来るんですか?まだ僕戦ったこと無いんですけど。」
そう言うと師匠はピキッと固まり僕から視線を外した。
「ええーっと…その…もしかして敵と戦ったことないって忘れてました?」
師匠はわたわたと冷や汗を掻きながら
「す、すまんな。ではまず魔物との戦闘訓練を行うぞ。」
師匠はそう言って森を一瞬で消した。
やっぱ師匠ってポンコ……ドジっ娘だよなぁ……。
かーわいいーwwwwwww
「……今何か考えたか?」
「ははは…そんなわけないじゃないですか~。」
うわ。鋭い、流石年行ってるだ…シュパンッ!
僕の額にゴムの弾が飛んできてぶち当たった。
「ふはは、すまんな。手が滑った。」
クソ師匠め!!
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木目張りの床の上で、僕は二刀の剣を構え、師匠と相対する。ちなみに剣は師匠から貰った片刃の片手剣を二つ、防具は要所要所にミスリルの鋼糸を織り込んだ灰色のコートを着ている。
「……行くぞ」
そう言って手を伸ばした空中から、極彩色の魔法陣が展開される。ぐにゅりと這い出るように魔法陣から出て来たのは1頭の狼だった。
『グルオォォォォォォ!!!』
よだれをまき散らし突貫してくる狼を冷静に見つつ身体強化を発動した。
視界がゆっくりとスローモーションになり、凄まじい速さで突貫してくる狼すら歩きのスピードのように見える。
狼が自分に噛みつく瞬間、半身をずらしすれ違いざまに右手の剣で首を一閃。
「フッ……!!」
首が落ち、態勢が崩れた体と目を見開いたままの頭がどちゃりと落ち、床を紅に穢した。
「ふむ……こんなものか。まあ当然と言えばそうだが」
「師匠の扱きのお陰ですよ」
苦笑を零しながら言う。実際そうだ。たった三カ月そこらでここまで強くなれるとは思いもしなかった。師匠以外では今の魔物に殺されるレベルであったと思う。
「嬉しいことを言ってくれるな?一夜。あぁ、そうだ。ステータスカードを確認してみな」
「ステータスカード…?ですか?はぁ。わかりまし………ッ!」
そこに表示されていたステータスに驚きを漏らした。
───西条 一夜───
種族Lv28
種族〈人種〉
job 呪術師Lv12⇧11up
呪い士Lv10⇧9up
剣舞士Lv18⇧17up
体力1800/1800⇧1600up 魔力3000/3000⇧2300up
素早さ 70{350}
硬さ 60{300}
力 62{310}
魔法力 95{475}
魔抗 120{600}
器用さ 115{575}
{}内は身体強化時のステータス。
適正武器 片刃剣 槍 二刀流
適正魔法 呪い 呪術師 水
ユニークスキル
言霊 2/3Lv〈効果〉詠唱すると魔法が一段階強化。
詠唱した際消費魔力軽減。
魔泉 2/3Lv〈効果〉一日に自分の保有魔力の4倍回復可能。
スキル
呪術6/10Lv 呪い7/10Lv 剣術MAXLv進化可能
剣舞4/10Lv 水魔法Lv4/10 歩術Lv2/10
身体強化Lv6/10
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何これつっよ。レベルめっちゃ上がったし……。スキル進化とか何!?てか知らんスキルあるし!?それに種族Lvって何!?
「どれ、見せてみろ。……ほう。ここまで上がったか、流石は勇者だな」
僕は少し不思議に思った事があった。
「何でこんなに上がったんですか?まさかあの魔物だけじゃここまで上がるはずがないと思うんですけど…それに種族Lvって何なんですか?」
師匠がふむ…と嘆息していった。
「レベルアップとは器の広がりを表すモノだ。そして器の広がりはレベルアップ前にどれだけ経験を積むかによる。つまり、レベルアップ前に筋トレや修業などの厳しい経験を積んだ者の方が、レベルアップだけのヤツとは比べものにならないステータスの上昇量になるわけだ。筋トレなどの事をせずに、レベルアップした者の上昇量は平均して1~2位だぞ?いかに元となる下地を作るのが大切かどうか分かるだろう。簡単に言うと今のお前は種族Lv28だが、他の種族Lv28のヤツと比べると恐ろしい広がりがあるって事だ。
Lvは一つの力の基準だが、あまり当てにしない方がいいぞ、自分より下のレベルの奴に負ける事なんてザラだからな。剣の腕やら技量はステータスじゃわからんからな。
そして種族Lvについてだが、コイツは種族としての器の大きさを表すモノだ。種族の器の大きさによって獲得できるスキルの量や適正武器や適正魔法の数が決まる。まぁ、適正武器や適正魔法に関しては産まれたときの器の大きさによるがな。ここら辺は才能の差としか言いようがない、恨んでも無駄だな。
それと、ジョブはステータス上昇量に補正がかかるもので、呪術師は魔抗と魔法力に、呪い士は魔抗に補正がかかる。剣舞士は素早さと器用さに補正がかかるぞ。
やはりジョブの数が多い方が有利だな、まったく。
ちなみに一番レベルアップの上昇量に差がつくのがLv1から2に上がる時だ。一夜の場合は限界まで上昇したみたいだな。
他にも25,50,75,100と、25区切りで上昇量に差がつく。25も限界まで成長したみたいだから、これからも修業すればさらに他の奴より強くなれるな。
フッ……師匠に恵まれたな?感謝しろよぉ?」
不適に笑った師匠がめっちゃかっけぇ!!いつもポンコツで可愛いのにこんな時だけかっけぇ!?おおー。見直したわー。
いやー、いつもこんな感じだったら尊敬出来るんだが……な……ぁ………。
「ほう……そんなことを思っていたとは……なぁ?くくっ……後悔しても遅いぞ『てぃー」
ガチャバダンドダドタドダドタガチャバタン!!カチャ!!
その呪文を最後まで聞く前に逃げた。自分の部屋にこもり扉に向かって剣を構える。
来る………来る……くそ……来ない……? 一〇分たちフゥ…と息をはき脱力した。ふらふらと後ろを向く……と真後ろに師匠のイケメンな顔がドアップでみえる。
「ほう。逃げるとはなぁ?なかなか勇気があるじゃないか、剣まで構えてどうするつもりなんだ?ふふ。まさかあそこまで舐められていたとはなぁ。これは主従関係を仕込まないと……ねぇ?」
「ひっ………」
「『てぃーえすっ!!』」
「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!
んんんっーーーーーーー!!!」
師匠「ふふふ。前より筋肉質になったが色々柔らかくなったな?可愛いぞ?締まりも」ドパンっ!
枕を投げた僕に向かって師匠がまた襲ってくる。
師匠「まだ足りないみたいだなぁ?ふふ。泣いても知らんぞ。鳴くのは良いがな?」
「ひゃうぅぅぅぅぅ!!」




