「始まった謎」
高校生の身で始めました。文の作りが下手ですが、
是非とも読んで頂けると嬉しいです!
ー私の兄は、ある日からおかしくなってしまった。
私の名前は幸名菊。16歳の高校生。今は兄と
1階建ての家に住んでいる。それはともかく…。
兄は両親がいなくなったあの日から、ずっと。口も開かなく、
何もしないまま部屋に引きこもっている。
その時の光景は
兄に隠されていたから何も見えなかったが、凄い衝撃と
『ぐしゃり』という惨い音が聞こえたのは、今でも覚えている。
兄がおかしくなってから数年後。
私はどうにか周りの人に支えられながら生きてきた。
家事から何まで教えられた。そのお陰で今を生きている。
今日も兄は出てこない。私はいつものように兄の部屋に
食事を持っていった。
「お兄さん、ご飯置いておくから食べてね。」
日常である事を、今日も言う。私がいなくなった後で
食べているのが毎日。
一緒に食べる事もあの頃から1度もない。私が兄の部屋を離れる時、予想外な事が起きた。
あの兄が部屋から出てきたのである。
突然の拍子に戸惑った私は、
「お、お兄さん。久しぶり…」
「ん。」
と、挨拶でない挨拶を返された。
かなり窶れていて、
目にクマができている。髪もボサボサである。
しかし、部屋は綺麗で、臭くない。パジャマ姿の服も
乱れていない。
と、いきなり兄は私を見て
「菊、今日は外に出るな。」
「ん?久々の再開だから甘えなくなっちゃっ…」
「嫌な事が起きる気がする」
呆気なく拒否された。そして意味深な事を言われた。
「嫌なことって?」
嫌な事の意味を聞いてみた。兄は、
「今日のニュース、見たか?」
「ううん。朝食作っていたからまだ」
兄、もとい奏は、私を部屋に入れて、
そのニュースを見せた。そこに映っていたのは、
フードを深くかぶっている人だった。
「何…このニュース」
何故そんな人がニュースになっているのか、私は聞いた。
「こいつは通り魔だ。そしてこいつは国を1つ滅ぼしているという噂がある。何処かは分からないんだが」
私はゾッとした。
その様な人が今この付近を歩いている。と、いうことに。
兄が再び私を見た。そして、
「絶対に外に出るなよ。」
と、改めて言った。その目は何処か儚げな、悲しそうな目をしていた。
「何で泣きそうな顔しているの?」
「お前には言えない。」
私の質問には答えてくれなかった。もしかしたらと、
私は疑問を口にした。
「私達の両親が、私達を捨てたこと?」
それを口にした瞬間、兄の目が悲しげな目から
怒りの目へと変わった。
「ふざけるな!!あの人たちが俺たちを捨てるなんてそんなことあるか!」
家中にその怒号が響いた。
「あと人達は…」
その後の言葉を次ぐもうとした瞬間…
『ドォーン』
という、凄まじい衝撃音と共に声が掻き消された。
気づけば私は兄の部屋から家の壁まで飛ばされていた。トラックが家に衝突していたのである。
兄の安否を確認した。兄は…血塗れになって倒れていた。そして息はもう…していなかった。
私は声を出すことも、身体を動かすことも出来ず、
ただ兄を見ることしか出来なかった。
意識が薄れつつある中、足音がした。
今になって不法侵入?と足音のする方に目を向けた。
そこにいたのは…
ニュースになっていた、あのフードをかぶった人だった。
少しだけ顔が見えた。女性。彼女は狂気満ちた笑みを
浮かべていた。そして、
「アンタらの人生は、もう終わり。あの両親も…
あの憎むべき奴等を、やっと殺せた。アハ…アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
私は静かに息を引き取った…。
死んだらもうずっと暗黒の闇の中…何も見えない、聞こえない、感じない。
あの女性は私達家族に何の恨みがあったのか、
兄が私に何を言いたかったのか…もう知ることも出来ないであろう。
突然、闇の中から光が灯した。
そこには見目麗しき女性がいた。
「幸名菊さん。ですね?」
突然の出来事に困惑した私に彼女が微笑みかけた。
「自己紹介がまだでしたね。私は『エリージュ=リア=エンゼル』という天使です。貴方は先程、フードをかぶった女性に殺されました」
そう。私達は殺された。それを思い出し、私は平常心を
取り戻して質問した。
「私は、もう生き返れないんですか?」
死んだ人なら誰でも言うような事である。
まだ生涯に未練を残している人ならば。
「はい。『あの世界』の貴方の身体はもう機能致しません」
ん?あの世界?私が疑問を抱いた事を読んでいたかのように彼女は答えた。
「私達が今いるこの空間は『三途の川』です。これを渡った後は、死んだ人の逝き先は天国か地獄です。しかし、
何の罪も悪業もしていない、善い方には『異界』と
いう場所に行ける選択肢があります。」
「『異界』とは、2次元によくある『異世界』という場所です。様々な種族がいたり等の、いわゆるファンタジー系ですね。」
生活以外何も考えたことのない疎い私には、さっぱり
理解出来なかった。
「貴方はどうしますか?『異世界』へ行って人生をやり直すか。天国に逝くか。」
私は戸惑った。まだ幾つもの謎が残っていて、それを全部解決すること。兄とは会えなくなってしまう
不安。またしても彼女が心を読んだように
「貴方のお兄さんは『異世界』を選びましたよ」
「行きます!異世界!」
私は即座に応えた。
すると彼女は微笑みから真剣な表情になり
「分かりました。では、『異世界』へ行くための条件があります。"大切なものを1つ抹消する"のが条件です。」
…え?大切なもの?
「選んで頂いても結構です。"記憶"や"感情"、"家族の事"
"貴方と貴方のお兄さんの関係"等」
私は正直何も失いたくない。今言われたこと全部。
失ったら、生きていく意味すら無くなるのだから。
と、1つ、私は閃いた事を即座に口にしていた。
何故それを口にしたのか、自分でも分からなかった。
「"私の〇〇の記憶"を、消してください」
彼女は、頷き、私に近づいてきた。そして、
「"貴方のこれからの未来に加護あれ"」
直後、私の足元には魔法陣が出来、光に包まれ、私は目を閉じた。
そして、目を開けるとそこはもう、異世界だった。
第2話から、異世界での生活です。
ラブコメは何話目になるでしょうね
第2話は来週くらいには載せられたらと思います。