表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

油断大敵

公園に駆け付けたアップルとヨハネスが目の当たりにした光景、それはボロボロになり倒れ伏している剛力の姿だった。愛する人を袋叩きにされたアップルは、哀しみのあまり息を飲む。ショックで動けない彼とは裏腹にヨハネスはすぐさま彼の元へと駆け寄り、反転させて胸元に耳を当て、続いて首筋に人差し指と中指を当てて脈を確かめる。


「剛力は、大丈夫?」

「心臓の鼓動と脈は正常だよ。ただ、骨がどうなっているかはわからないからむやみに動かさない方がいいね」


負傷してはいるものの、剛力が生きていると知ったアップルはほっとした。

だが、その安堵も次の瞬間には、戦慄に変わった。普段は物事を達観し動じない彼がなぜ恐怖を感じたのか。それは、不動仁王が鋭い目つきでふたりの前に現れたからである。けれどヨハネスは怯えるどころか笑みを浮かべて言った。


「君が不動仁王だね」

「そうだ。だが、それがどうした? そこに倒れている男の敵打ちにでも来たのか」


その問いかけに、ヨハネスは高い笑い声を上げる。

バカにされたと受け取った鬼神は、吠え声を出してヨハネスに拳を見舞うが、驚くべき事に彼はそれを受け止め、倍はあろうかと思われる不動の巨体を柔道の一本背負いで放り投げたのである。

敵は慌てて間合いを取るが、我が身に起きた出来事に呆然としていたが、剛力と対峙した時とは違い、やや落ち着いた声で訪ねる。


「お前は何者だ?」

「君の胸に聞いてみればわかるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ