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荘厳な天空建造物の奥深く声の届かぬ祭壇にて
厳重な警戒を潜り抜け一対の翼が核まで至った
重鈍と成り果てた歯車世界の頂点は尚も聳える
鈍光を放ち壮麗な最高法規は裁きの剣を構えた
ひとつの交渉は試みられたが決裂した
法規の前に一度は叩き落とされた一対の翼
異世界から機会を貰い再度灯る黒色の羽根
代償はこの世界での時間制限に他ならない
後に金属と歯車の世界は収斂変貌を遂げた
時間軸と世界線が幾重にも捩じ折れ曲がり
定義法則が再構され行く瞬間直前になって
全ての金属の意思がそれを記憶したという
物語はここで一つの区切りを垣間見た