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「あの子どこから来たんだろうね。それなりに可愛いと思ったけど、あの機械の羽のせいでまるで「天使みたいだったな」
「親方、惚れちゃった?」
「ほ、何を言うかい。でもまあお前も「ストップ」
「お弟子様に関する容姿の描写はしないでおきましょう」
「なんでい、めずらしく言うじゃねえか。でもなんだよその口調は」
外へ出ても親方の大きな笑い声が聞こえたかもしれない。
「しかし天使ねえ…」
「上に行くのかな」
「俺たちの箱で飛んでったなら誇らしいけどな」
ぱちりと指を鳴らした親方は天上から機械棚に視線を移す。
「何ならお前も追いかけるか?」
「それは多分、今回は他の人の役割だと思うんだ。もしくは彼女一人でやるのかもしれない」
こつん、と頭を叩く音がした。
「あんまり遠くを見てちゃ仕事できないぜ」
(親方も見てたくせにー…)
「へいへーい」