プレゼント
三山を家まで送った後、俺は家路に向け歩いていた。
「ん?電話?…由美か。もしもし?」
『もしもし?お兄ちゃん?』
「それ以外に誰が出るんだよ…。」
『それもそうだね~☆』
「んで?何だ?」
『あ!そうそう!帰りにプリン買ってきて。』
「は?突然どうした?」
『いや~なんか猛烈にプリンが食べたくなって…。』
「へー。」
『だから、買ってきて。』
「わかったよ。」
『ありがとう!お兄ちゃん大好き!』
「はいはい。俺もだよ。」
プリン一つで買える愛…。虚しい…。
『よろしくね~!』
そして、電話は切れた。
仕方なくコンビニに寄り、プリンを買い、その後、デパートの中にある本屋に向かった。
欲しかった新刊のラノベを買った後、以前、由美が欲しいと言っていたブローチを見つけた。
値段は6852円。
ちと高いが、明日はバイトが入っているので大丈夫だ。
だから買ってやることにした。
俺って妹に甘いな…。
その後、ブローチを買い、家に着いた。
「ただいま~。」
「おかえり~!」
ちなみに両親は今、フランスでどちらもデザイナーの仕事をしているため、年に一回しか家に帰ってこない。
「ほら、プリン。」
「ありがとう~!いくらだった?」
「別にいいよ。あとこれ。」
「何?」
「プレゼント。」
「え?プレゼント?」
「おう。いつも家事やってくれてるお礼。」
「あ、ありがとう…。開けていい?」
「おう。」
そして由美は袋を開け始めた。
「え?これって…。」
「お前、前に欲しいって言ってただろ?」
「言ったけど…。でもこれ6000円ぐらいするんじゃ…。」
「まぁ、そんぐらいだな…。」
「代金払うよ!」
「いいって。明日バイトだし。毎月の小遣いは大事に使えよ。」
「でも…。」
「いいって。プレゼントなんだし。いつものお礼だから気にすんな。」
「ありがとう…。、あのさ、お兄ちゃん。」
「ん?」
「好き!大好き!」
由美が抱きついてきた。
補足として言うと由美は義理の妹だよ。二つ下の。
「おう。俺もだよ。」
「えへへ♪」
やばい…。
何だ?この可愛い生きもの…。