楽しいデート?
午後からの数学、そして次の授業の日本史も睡眠学習で乗りきり、やっと帰れるー…わけもなく、校門に行くと三山が待っていました…。
「あ!せんぱい!まさかとは思いますけど…帰ろうとか考えてませんでしたよね…?」
「ハハハ…。何を言ってるんだー!そんなわけないだろー!」
三山の怖い笑顔に冷や汗が止まらない…。
「そうですよね!!よかったよかった!」
「じゃ、じゃあ行こうぜ?」
「はい!」
その後、隣を歩く三山は鼻唄を混じりに楽しそうだ。
「機嫌がいいな?何か良いことでもあったか?」
「はい!とってもいいことがありました!」
「そうか…。」
「それは今のことなんですけどね…。」
三山がボソボソと何か言っているがまったく聞こえない。
あれ?昼休みにも似たような事があったような…。
「何だって?」
「何でもありません!!」
なんというデジャヴ…。
「そういやどこいくんだ?」
「ショッピングモールです。」
あの無駄にばかでかいとこか…。
全部の店をまわるには1日かかると言われている。
そして歩き続けること10分。
ショッピングモールに到着した。
「んで、何を買うんだ?」
「服ですよ。」
「なぁ、俺が来る意味ある?荷物持ちとか嫌だよ?」
「大丈夫ですよ!そんなことさせませんって!」
「なら、いいけど…。」
そして服屋に到着。
完全に女子用の服屋なんですけど…。俺、場違いじゃね…?
「じゃあ、せんぱい!服、選んでくれますか?」
「何で俺が?自分の服は自分で選べよ。」
「誰かに選んで欲しいんです!」
「だったら俺じゃなくて彼氏とかに頼め!」
「彼氏なんていませんよ?」
あ、いないんだ…。てっきりいるかと思った…。
「じゃあ、好きな人にお願いしろよ!」
「鈍感…。」
「何か言ったか?」
「いえ、何も。」
くそ!また聞きとれなかった…。
「とにかく私はせんぱいに選んで貰いたいんです!」
「何で?」
「それは…もういいです!先輩のバカ!」
えー。何でキレてんのー?
「悪かったよ…。ちゃんと選ぶから…。」
「本当ですか…?」
「ああ!」
「ちゃんと選んでくださいよ?」
「任せとけ!」
と大口を叩いたものの女の子の服なんて由美ぐらいしか選んだことないよー!
あ、もう一人いるか…。
中学の時になるけど…。
まぁ、今は三山に似合う服を考えよう!
色は明るい色だな!
白とかピンクとかがベスト!
その色は三山によく似合う。
さてと、どうすっかなー?由美の場合はミニスカートに上着を合わせる形になるけど、三山はワンピースとかの方が似合う気がする。というわけでピンク色のワンピースを選んだ。
「これとかどうだ?」
「決まったんですか?どれどれ〜…か、可愛い!先輩!センスありますね!」
「お前は明るい色でワンピースが似合うと思ってな。」
「そこまで考えて選んでくれたんですか!感激です!さっそく試着してみますね!」
「お、おう。」
そう言うや否や三山は試着室に入って言った。
待つこと二分後。
試着室のカーテンが開かれた。
「どう…ですか…?」
まずい…。かなり可愛い…。
ピンク色のワンピースは三山にとてもよく似合っていた。
そして、今の三山の照れたようにこちらを伺う表情。ドストライクだ…。可愛すぎる…。
「せんぱい…?」
「可愛い…。」
「ふぇ?」
「え?」
「か、か、か、可愛い…って//」
やべぇ…声に出てた。
「うん…まあ、可愛いよ?」
「本当ですか…?」
「おう!」
「えへへ…♪」
「気に入ったか?」
「はい!」
「じゃあ、ほら。」
「?」
「買ってやるよ。」
「え?いや、そんな悪いですよ!」
「いいって。遠慮すんな。その一着は記念に特別に買ってやる。」
「で、でも…。」
「遠慮すんな。」
「じゃあ…お願いします…。」
「おう。」
値段は二千五百円か…。ちと高いがまあ、仕方ない。購入を済ませ、三山に手渡す。
「ほら。」
「ありがとうございます…。」
「あ!やっぱり返せ。」
「なんでですか!」
「帰る時に渡すよ。まだ買い物は始まったばかりなんだし、この荷物は俺が買ったんだから俺が持つよ。」
「先輩ってズルいですよね…。」
「何がだよ?」
「何でもないですよ。じゃあ、お願いします。」
「おう。」
そして歩き始めた。
ショッピングはまだまだ続く。
何か意外と楽しいかも…。