表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

騒がしい後輩

翌朝、由美に起こされた俺は朝飯をしっかりと食べ、準備をしていた。

「はい、お兄ちゃん。お弁当。」

「サンキュー!」

しっかりと弁当も受け取り、学校に向かう。

「……なぜいる?」

「さあ、レッツゴー!」

外に出るとすでに由美が俺の自転車の荷台に座っていた。

「たまには一人で行けよ。」

「だって歩くのだるいし。」

「運動しろよ。」

「大丈夫。帰りは歩いてるし。体育もあるし。だから朝は楽したいのでーす!」

「俺は楽じゃないんだが…。」

「ファイト!」

「このやろう…。」

仕方なく由美を荷台に乗せ、家を出発した。

「そういやお兄ちゃん。」

「何?」

「実は私、受験勉強をまったくしていないんだよね…。」

「ふーん…って!はあ!?」

「えへへ…。」

「えへへじゃねぇよ!確かお前、うちの高校に入るんだよな?」

「そうだよ。」

「結構、レベル高いのわかるよね?」

「うん。」

「何で勉強してないの?」

「てへ☆」

「………。」

なんだこのダメな妹は…。

「でも、家事をやったり、お兄ちゃんのお弁当作ったりしなきゃならないし。」

「う…。」

それを言われると何も言えない…。

「よし!わかった!じゃあ、俺が教えてやるよ。」

「へ?」

「勉強、教えてやるよ。」

「本当に?」

「おう。」

「やったー!お兄ちゃんの教え方はわかりやすいから百人力だね♪」

「そ、そうか…。」

素直に嬉しい。

そして中学校の前で由美を降ろし、学校に到着。

「せーんぱい!」

「うわ!」

後ろからいきなり抱き付かれ、かなりビックリした。

「ってなんだよ…。お前か…。」

「何であからさまに嫌そうな顔するんですか!」

はぁ…。朝から騒がしい奴に捕まってしまった。

こいつは一年の三山夢菜みやまゆめな。高校でとある出来事があり、そのときに知り合った奴だ。

「いや、騒がしい奴に出会ってしまったなと思って…。」

「騒がしくないです!明るく元気なんです!」

「ソウデスカー。」

「何で棒読みなんですか!」

「じゃあ、俺はこれで。」

「何でナチュラルに離れようとするんですか!」

「えー。だって用事ないでしょ?」

「ありますよ!先輩と話すっていう用事が!」

「そっかー。俺はない。サヨナラ。」

「逃がしませんよ!」

腕を掴まれる。

くそ!逃げられない!

和也はどうする?

①なんとか逃げる。

②適当に理由つけて逃げる。

③諦める。

うん。③だな。だって無理だもん!こいつから逃げるのは…。

「そうだ!先輩、今日って暇ですよね?」

「何で決めつけるんだよ!」

「だっていつも暇でしょ?」

「う…。」

「暇ですよね?」

「そうですよ!暇ですよ!チクショウ!」

「じゃあ、買い物に付き合ってください!」

「嫌です!」

「ちなみに先輩に拒否権とかありませんから♪」

「理不尽だ…。あなたは人権を何だと思っているんだ!」

「先輩の人権は私限定で皆無です!」

「恐ろしいよ!この後輩!」

「というわけで、放課後よろしくです!」

「えー…。」

「帰ったら…わかりますよね…?」

こ、怖いよ…。

「わかったよ…。」

「やった♪じゃあ、また!」

そう言って、三山は駆けて行った。

というわけで、買い物に付き合わされることになりました。

帰りたい…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ