第七話 「DECIPHERMENT」
千佳が目を覚ました。
良かった。仲間を失わずにすんで。
ふと視線を移すと翔と瞬があの暗号を前に唸っている。
「このヒントきっと何かを表してるんだけどなー。」
「さっきから喋ってばっかでお前考えてねぇだろ。」
俺も考えようかな。千佳の看病は林に任せて俺も考えに行こう。
「おい。それ俺にも見せてくれよ。」
「ほらよ。」
翔が乱雑に放り投げてくる。
plsatoouayrenlernoyy
rail block
・・・!?
何だこの頭痛!痛い。痛い。暗い。真っ暗だ。
いつかわからない記憶がどんどん蘇る。そして頭痛が止まったと思えば小さな俺と見覚えのある少女が楽しげに話していた。
《 ねぇねぇーレールフェンス暗号って知ってる?》
《 何それ?教えてよ!》
《 えっとねー。これをこうやってこうしたら。》
そこでまた頭痛が起きる。
痛い。痛い。何なんだ。
「おい!大丈夫か!」
翔の声が聞こえる。
俺はその問には答えずに言った。
「暗号の答えがわかった。」
「「マジで!?」」
瞬と林の言葉が重なる。
「あぁ。」
「暗号の答えは何なの?」
千佳の冷静な声。
「まずこの暗号の方式はレールフェンス暗号だ。」
「れーるふぇんすあんごう?」
林が何のことか解らないような口調で言う。
「そう。まぁ簡単に言えば一定の文字ごとに規則的に並び替えた物を読み直すだけだ。」
「なるほどな。でこの暗号の答えはなんなんだ?」
「Players are not only you.」
「プレイヤーは君たちだけではない?」
瞬が疑問形になりながら答える。
「そう。つまりこの世界にいる全員はプレイヤーでプレイヤー同士で殺し合いをさせられてるんじゃないか?」
「まぁとりあえずはあの西龍とかいう奴を倒して聞いてみるしかねぇだろ。」
「そうだな。」
翔の提案に瞬が同意する。
だが、そのためにはあいつに勝たないといけない。勝てるのだろうか。本当に。
そしてあいつが本当に死者だったら・・・
けどとにかく前に進まないと何も始まらない。俺達は西龍を探し始めた。
ゲーム開始から00:07:00
脱落者:1名