第一話「START」
日向陽人が死んだ日から一週間が過ぎた。
俺、日向陽人は目が覚めると全く見覚えのない場所に横たわっていた。これが死神のいうゲームの舞台なのだろうか。
「おい、大丈夫か?」
聞いたことのない声に呼びかけられ、まだ痛む頭を無理やり起こして周りを見渡すと見知らぬ俺と同じくらいの背丈で黒髪の青年とその少し奥に冷たい目つきをした少し小柄な少女が立っていた。
俺が起き上がったのを確認してその男は俺に声をかけた。
「お、起きたか。俺は風巻瞬。瞬って呼んでくれ。んで起きたばっかで悪いけどお前の名前は?」
「日向陽人。17歳だ。よろしくな。んでそっちの女の子は?」
「私は氷室千佳。17歳。よろしく。」
「あぁ。よろしくな。」
軽く三人で自己紹介を終えたあと俺はずっと疑問に思っていたことを口に出した。
「死神と殺し合いをするんだろ?どうやって俺らが死神なんかに勝つんだ?」
「実は俺達には戦うための能力が与えられてるらしいんだ。あー、なんか頭でイメージしたら使えるらしいんだが、まぁその点はよくわからねぇ。」
と三人でいると、学校のチャイムのような音のあと、死神と名乗る人物がその部屋にあったテレビに映り出した。
「はーいはーい!みんな揃ったね!これからゲームを開催するよ!前言った通り僕を【参った】って言わしたら君たちの勝ち!見事君たちは蘇生することができます!あ、裏ルールとかもあるからぜひぜひ楽しんでね!」
終始テンションの高い開催宣言が終わったあと、俺たちの腕に紋章が刻まれた。
「その紋章に力を込めると、君たちの力が使えるよ!ちなみに言っておくと、日向君は炎、風巻君は風、氷室さんは氷、宮部さんは茨、工藤君は空だよ!じゃぁ頑張って僕のとこまで来てね!」
ここでテレビはプツリと電源が落ちた。とうとうゲームが始まる。三人ともそんな面持ちになっていた。沈黙を破ったのは瞬だった。
「とりあえず後の宮部と工藤に合流しに行かないか?」
俺と氷室はもちろん合意してその二人を探すため、このゲームで最初の一歩を踏み出した。
ゲーム開始から00:00:01
脱落者:0人