表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透けた空  作者: キイ
1/2

1.純粋さからうまれたものは、

やっと一話です。色々と変更をして、迷惑をかけてすいませんでした。

そして、このお話はハッピーエンドではないかもしれないので、嫌な方はお戻り下さい。もう一つ。このお話はエンディングがいくつかあります。

では!


純粋だったんです。

潔癖だったんです。

それ故、狂気を纏ったんです。




「近付くなよ」

「来ないで」

 どうして。どうしてそんなにも怖がるの。僕は、仲良くしたいだけだよ?


 少年が教室で、いじめまではいかないが、仲間外れに…と、いうよりは、恐れられていた。

 その少年はスイ。年は、12歳の六年生。純粋な少年。

 そんな少年が何故恐れられているか。 それは、彼が純粋すぎるが故に狂気をまとってしまい、ある事件を起こしてしまったから。




三年前。


「キャアアアアッ!!」


 悲鳴が聞こえる。あれは、僕に叫んでるのかな?僕は今、屋上に居て、一人の少女を落とそうとしてる。

「何してんだよ!」

 他の生徒は焦ってるみたいだ。当たり前だろう、今、一人の少女の命がかかっているんだ。少女は、壊れたフェンスから半分体が乗り出ている。 そんな中、意味が分からないといった、表情で少年が言う。

「何って…、君等がこの子を気持悪いとか消えろとかいったから。それに、僕に頼んだでしょう?殺せよ、って笑いながら」

 だからだよ、少年は付け加えて、悪意なしに言った。ただただ、理由を述べたまでで。

 周りには、緊張の糸が張りつめていた。死にかけの少女は、失神したようだ。

「皆、何で焦ってるの?僕はどうしたらいいの?…………落とす?」

 落とすな、やめろ。そう言えば済むだけの話。しかし、誰も言えなかった。パニックになっていて。先生は、まだこの事態に気付いてないようで。誰もが動けずに、唾を飲むばかり。いつ落とすのか、いつ解放するのか、小学生にはそれだけが気にかかる。助けられると、思っていなかったし、怖かったのだ。


バタバタッ


 階段を急いで上がる音がした。

「先生っ!こっち!」 きっと生徒と先生だ。屋上の光景を見た誰かが伝えたのだろう。どうやら、一緒にいる生徒はうまく説明できていない様子だ。

「わかったから、落ち着いて!先生よくはなしが分か…、



――見つけたのは、命の失われそうな瞬間。



…ら…」

沈黙。そして、再びの、叫び声。



後に少女は助かったが、この事件によって少年は恐れられる存在になってしまった。それを面白がり、

「オレを殺してみろよ」

なんて言った子供は死ぬ直前までいったそうだ。

 三年後たった今でも、少年へ対する目と、少年の純粋さは変わらず。いくら年月がたったといっても、人を変えることまでは不可能だった。




こうやってよ、ああってよ。

 僕は、みんなの願いを叶えたかったんだ。

 たとえ、それが罪になることだと、わかっていても。




うまれたものは、狂気



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ