夕べの客人
夕べの客人
紅の勇者の屋敷は、まるで王族を迎える準備をしているかのように、その夜、まばゆいばかりに輝いていた。
数十個のクリスタルのランタンが、温かみのある黄金色の光で前庭を照らしていた。大理石の噴水は月明かりを映し出し、白い石畳の小道は完璧に手入れされ、まるで執拗なまでに丁寧に剪定されたバラの茂みが並んでいた。屋敷の中からは、ヴァイオリンの響き、上品な笑い声、そして絶え間なく続く乾杯のグラスの音が響いていた。
それはまたしても盛大な宴だった。
そして、ヴァルド・クロムが主催する宴会はいつもそうであるように、そこには何の制限もなかった。
優雅な馬車が次々と正面玄関に到着した。そこから降りてきたのは、宝石をちりばめた貴族、裕福な商人、高位の冒険者、そして高価なドレスをまとった女性たちで、皆が互いに注目を集めようと競い合っているようだった。強烈な香りが漂い、ロースト肉、高級ワイン、そして私設温室から運ばれてきた装飾花々の香りと混じり合っていた。
壮麗な大広間は、ほとんど目に余るほどの豪華絢爛さを誇っていた。
手描きの天井からは巨大なシャンデリアが吊り下げられ、テーブルには艶やかな果物、焼きたてのパン、艶やかな肉料理、繊細なデザート、そして平均的な家庭の年収をはるかに超える高級ワインが所狭しと並んでいた。非の打ち所のない召使いたちが客の間を行き来し、グラスが空になる前に注ぎ足していた。
そして、その中心に、賞賛と陽気な笑い声、そして興味津々の視線に囲まれて、この夜の主役が立っていた。
ヴァルド・クロム。
紅の英雄は、黒と金の刺繍が施された赤いコートを身にまとい、首元と胸元の一部が露わになっていた。まるで、服を着ていてもなお、自らの存在を周囲に知らしめようとしているかのようだった。ワイングラスを手に、彼は傲慢に笑みを浮かべ、まるで当然の権利であるかのように賛辞を受け止めていた。
美しい女性たちが彼の傍らに立ち、貴族たちは彼に頭を下げた。近くでは冒険者たちが彼の歓心を買おうとしていた。遠くでは楽師たちが夜を彩る音楽を奏でていた。
ヴァルドはまさに水を得た魚のようだった。
「もっとワインを!」彼は満面の笑みを浮かべ、グラスを掲げて命じた。
召使たちが慌てて駆け寄った。
笑い声はさらに大きくなった。
音楽は鳴り止まなかった。
数時間が過ぎた。
夜はますます濃く、騒々しく、そして無頓着になっていった。貴族の中には、すでに大声で話す者もいた。また、作り笑いを浮かべる女性たちに、身を乗り出す者もいた。酒の重みで、礼儀作法の仮面は徐々に剥がれ落ち始めていた。
そしてその時、入り口の衛兵たちが彼女を見つけた。
最初は、提灯と月明かりに照らされた、屋敷の外周路を歩く人影しか見えなかった。静かに門に向かって歩く、一人の女性の姿。
すると、光が彼女を完全に包み込んだ。
二人の衛兵は凍りついた。
近づいてくる若い女性は、目を背けることのできない美しさを湛えていた。
黒髪は、まるで黒い絹のように肩と背中に流れ落ち、夜光の中で青みがかった輝きを放っていた。透き通るような白い肌は、彼女の体を包み込む深みのある優雅なドレスと、危険なほど洗練された美しさで対照をなしていた。上質で体にフィットした生地は、彼女の曲線美を絶妙なバランスで際立たせ、下品になることなく、見る者を息を呑むほど魅了した。上品でありながら大胆なネックラインは、豊かな胸の形を強調し、絞られたウエストは彼女のスタイルを際立たせ、脇のスリットからは、歩くたびにすらりとした脚が覗き、まるで夜そのものが人間の姿となってこの集まりに現れたかのようだった。
彼女の顔は、見る者すべてをさらに不安にさせた。
繊細で、穏やかで、完璧な落ち着きを保っていた。
かすかに微笑んだ唇は、警備員二人には言葉にできない何かを約束しているように見えた。暗く、長く、静かな瞳は、周囲に引き起こす反応とは不釣り合いなほどの静けさを湛えていた。
警備員の一人はごくりと唾を飲み込んだ。
もう一人は、いつもより反応が遅れた。
「ま、待て…」最初の警備員は平静を取り戻そうとしながら言った。「ここはプライベートパーティーだ。」
若い女性は彼らから数歩離れたところで立ち止まった。
夜風が彼女の髪とドレスの裾を優しく揺らした。
「ええ、知っています」彼女は柔らかく、ベルベットのような、どこか戯れるような声で答えた。「だからこそ、ここにいるんです。」
二番目の警備員は、相棒と気まずい視線を交わした。
「あなたの名前はリストに載っていません」と彼は言ったが、その口調は思ったよりもずっと弱々しかった。
若い女性はかすかに頭を下げた。
「なんて残酷な問題でしょう」
彼女はもう一歩小さく踏み出し、距離を縮めた。彼女の香水はほのかに、上品に、そしてわずかに判断力を鈍らせるほど近くに漂っていた。
「もしかしたら、例外を設けてくれるかもしれません」
最初の警備員は彼女の動きに気づいたが、それが意図的なものだとはすぐには理解できなかった。わずかな仕草、かすかに示唆された傾き、彼女の息遣いに合わせて揺れる服のひらめき。大胆なところは一切なく、すべてが計算されていた。
凡庸な男たちの規律を打ち砕くために。
「あ、あの…」彼はどもった。
若い女性は少し微笑んだ。
「ただ、英雄に会いたいだけなの。」
二番目の衛兵は、完全に言い負かされ、間抜けな笑いを漏らした。
「ええと…中に入れてもらえますか…」
彼女はそっと手を上げ、最初の男の胸に軽く触れた。彼はまるで神聖な栄誉を授けられたかのように身を硬くした。
「それは大変ありがたい」と彼は呟いた。
二人は既に、運命に翻弄されていた。
彼女の表情が変わった瞬間を、二人は正確には見ていなかった。
それは微妙な変化だった。
微笑みはまだ残っていたが、虚ろになっていた。
彼女の瞳にはもはや温かさがなかった。
冷たかった。
致命的だった。
若い女性はダンサーのような優雅さで背後に手を回し、ドレスの襞から、影の糸のように繊細で力強い、細く暗い紐が現れた。二人が何が起こっているのか理解する間もなく、彼女は振り返った。
素早く。
正確に。
縄は最初の衛兵の首に巻きつき、同時に背後を通り過ぎた二人目の衛兵をも捕らえた。若い女性は信じられないほどの敏捷さで二人の間をすり抜け、背後で縄を越え、見た目からは想像もつかないほどの力で縄を引っ張った。
二人は息を呑んだ。
二人は咄嗟に縄に手を伸ばした。
二人の目は見開かれた。
叫ぼうとしたが、漏れるのは喘ぎ声だけだった。
彼女は何も言わなかった。
ただ、縄を締め付けた。
細く見える彼女の腕は、鋼のように固かった。完璧なバランスで地面に食い込んだ踵は、その角度を利用して二人の呼吸と支配を奪った。一人の衛兵は剣に手を伸ばそうとしたが、もう遅かった。もう一人は必死にもがき、空を殴ったが、無駄だった。
若い女性は、まるで自分にしか聞こえない音楽を聴いているかのように、二人の間に顔をうずめた。
最初の体が力を失い始めた。
そして二人目も。
ブーツが石を擦り、膝が崩れ、指が力なく垂れ下がった。
次の瞬間、二人は動かなくなった。
彼女は静かにロープを緩め、音を立てないようにゆっくりと二人の体を地面に下ろした。
警報音一つしない。
悲鳴一つしない。
パーティー会場にはまだ何の混乱も及んでいなかった。
屋敷の中では、音楽が鳴り響いていた。
笑い声が続いた。
英雄を称えてグラスが掲げられ続けた。
若い女性は倒れた衛兵たちを、全く無関心な様子で見つめていた。
それから彼女は身をかがめ、衛兵のベルトから鍵を一本取り出し、ライトアップされた屋敷を見上げた。
あの莫大な富。
絹と金で覆われた、あのくだらないものたち。
怪物に祝宴を催す人々。
彼女の唇がわずかに弧を描いた。
しかし、それは優しい微笑みではなかった。
それは、何かを暗示する影だった。
「さあ」と彼女は囁いた。
彼女はそっと脇の扉を開け、まるでそこにずっといたかのように、中庭へと足を踏み入れた。
誰も彼女を止めなかった。
誰も疑わなかった。
敷居をまたいだばかりのこの美しい女性が、実はイブニングドレスをまとった死神だとは、誰も想像だにしなかった。
そして、屋敷の最上階で、贅沢とワインと称賛に囲まれ、紅の英雄は笑い続けていた。
彼はまだ、自分の宴が既に終わっていることに気づいていなかった。
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