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小さな戦士と出会ったあの日
『俺の名はヒース。武者修行がてら旅をしている。食う金に困って、この依頼を受けた。よろしくな』
アレスが村の外に出て最初に訪れた城下町。魔物討伐の大規模募集がかかり、臨時の二人組パーティーを組むことになった相手がヒースだった。
自己紹介の後、アレスが思わず小人族特有の低い背丈に目をやると、ヒースは胡乱な目を返した。
『なんだ、その目は。小人族と思ってバカにするなよ。なんならきっちり白黒つけてやろうか』
道中、彼は夢を語った。
『無論、目指すは世界最強の戦士だ。今はまだ無名だが、世界にこの名を轟かせるのが俺の夢だ』
そして共に魔物討伐を果たした後のことだった。貴族の娘が攫われる事件が起こり、活躍を認められた二人に特別依頼が下る。
娘を攫った山賊のねぐらを討つと、今度は背後で糸を引いていた魔物が現れた。その魔物も苦戦しつつも何とか倒し、娘を救い出すことに成功した。
『ったく、妙なことに巻き込まれちまった』とぼやきながらも、ヒースはアレスに声を投げかけた。
『おい、ここから先お前はどうする?』
予定はないと答えるアレスに、彼はにやりと笑う。
『ならどうだ。お互い行く当てのない者同士、一緒に旅をするってのは?』
その言葉に頷いた瞬間、二人の旅は始まった。
『決まりだな。仲良くしようぜ』




