序章 第2話 出会い
熊のような生物がとどめを刺そうとクワッと上半身を起こした時
「やめろ」
何処からか声が聞こえた
熊のような生物は心底驚いたようでひっくり返りジタバタして逃げてしまった
熊は逃げたか、よかった
そう安心した途端視界が暗転した
最後にうっすら見えたのは妖精だったのだろうか、とてもきれいだった
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
バサッ
「ここは・・・」
洞窟の中みたいな感じー
奥に部屋があるみたいだ。きっと助けてくれたんだ
後で感謝を伝えに行こう
荷物まで丁寧に・・・
まあ少し漁ったぽいけど・・・
そう思い手を動かした その瞬間近くの布地の筆箱が引き寄せられた
「えっ」
怖くなり必死に引き剥がそうとした
取れたと思ったら筆箱は破れ、中のはさみが貼りついてきた
「ヤバイっヤバイっヤバイっヤバイっヤバイ」
取れないっヤバイっ。このままハサミと生活は間違いなく馬鹿にされる
そう思った時、ハサミは急に落下した
一連の怪奇現象が終わると
「起きたか」
部屋から13歳くらいの少女が来た
「助けてくれて、ありがとう」
「そういえば、さっきハサミが手に張り付いていたんだ何か知らない?」
「馴れ馴れしいガキだな《精霊皇》
《赤銀混成皇》クリアを知らないなんて死にたいみたいだな」
「ひいっ」
パチもんじゃなくて本物!?
あの一匹狼の冷酷な精霊皇クリア
世界で4体しかいない最強の精霊
精霊皇クリアってイケメン好きらしいけど自分そこまでじゃないし
イケメン以外だったら気に食わなかったら直ぐに殺すらしい
死んだ・・・折角まだ生きれると思ったのに
「まあいい、お前は私と同じ原子だからな」
「えっ」
何言ってんだ此奴
「僕は原子を持ってないですよ」
「そもそもなんで分かったんですか?」
「【原子付与】をしたからに決まっているだろ」
「だが、お前は原子を受け取り出来たじゃないか」
(××××××××××××)とクリアは思った
「お前、私と組まないか」
「へっ なんでですか」
「お前が例え原子が無かろうと【原子付与】を受け入れ出来た」
「つまり私と組めば無原子から原子『磁石』になれるも同じって事」
「精霊皇様の利益はどんな感じなのでしょうか」
「お前は顔がいいからな。眼福眼福」
怪し過ぎる
「怪し過ぎますよ じゃあ僕にクリア様の原子5割を【原子付与】して下さいよ」
「1度甘やかすと直ぐ調子に乗る まあよい」
「はっ」
原子が何か変わったなんか刺々しくなったような
シュッ
ペトッ
「うあーーー」
剝がれないまずい
また身の回りの鉄製品全てを引き寄せてしまった
「いいか、ゆっくり包み込むように原子の放出押さえつけるんだぞ」
「どういう事?!全く分からないですよ」
「なら、原子が尽きるまでその重さに耐えな」
まずい、原子の化身である精霊皇からすれば簡単かもしれないが、僕は人間だ!!!分かる訳がない
いつかナイフかなんかに刺さって死んじゃう
「力まなければ大丈夫だ力を抜け」
力を抜くっ
ほっ
ガッシャーン
「なんとかなった、ありがとうございます」
「まあよい」
「名はなんという」
「長谷川・・・長谷川カイト」
「カイトかよろしく頼むぞ!」
「ここからカイトとクリアの奇妙な冒険は始まった
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