利根川を境に今激闘が始まる
~一章・利根川の戦い~
帝国軍が派遣されて間もなく、イバラキスタンの軍事行動が活発化しはじめた。
南部イバラキスタンに短距離ミサイルMENTAIKOを配備し、軍事境界線上空に小型無人爆撃機HOSHIIMOを挑発的に飛ばす様になったのだ。
千葉帝国側は戦闘機のスクランブル発進を幾度となく行い、国際法に法り対処をしていたのだが、ある日突然戦闘機がレーダーから消える事件が起きた。
当初は事故の疑いが強かったのだが、イバラキスタン過激派組織NATTOによる犯行声明が出された事をきっかけに事態が急変した。
千葉帝国政府は急遽イバラキスタン政府である水戸徳川家との電話会談を開きこれ以上の争いを避ける事を試みたが、水戸徳川家の対応は納得のいかないものであった。
というのも、イバラキスタン政府としては今回の事案に政府は介入しておらず、ある種軍によるクーデターの様なものであり、千葉帝国政府との間で協議する内容でも無いと言うのである。
これに腹を立てたのが軍事国境線に派遣された帝国軍である。
帝国軍は政府の意向を無視し独自にイバラキスタンへの攻撃を開始した。
これが俗に云う「利根川の戦い」の始まりである。
イバラキスタンは突如始まった攻撃に対し利根川橋を爆破して侵攻を防ごうと試みた。
実際歩兵の侵入を防ぐことは出来たが、千葉帝国の圧倒的戦力差には到底敵わない。
千葉帝国軍の猛攻は三日三晩続き、軍事国境線の東側半分を制圧する事に成功した。