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カフェイン! エナジードリンク!! ジャンクフード!!!

「?」


「……」


「どうした?」


「いえ、なんでもありません」


「ふっ、やっぱりか」


 男はニヤリと笑みを浮かべた。


「君は私の事をどこまで知っている?」


「あなたが昔、暗殺業を営んでいた事と、今は殺し屋ではなく喫茶店のマスターとして生きている事ぐらいしか知りません」


「……まだ何かご用ですか? 残念ですが私はもうそう言った仕事は受け付けていないので」


「なるほど、では失礼します。他にお客さんもいるので」


「そうですね、お帰りいただければ幸いです。お会計は1500円になります」


「ふむ。少々値は張るが美味いコーヒーだった。また飲みにくる」


「ありがとうございました」


 彼が帰っていくと奴の影に入っていたノエルが入れ替わるように帰ってきた。


「どうしたの?」


「この店の立地条件が良すぎる。ここを組織の残党共に嗅ぎつけられたかもしれない。少しまずいんじゃないの?」


 そう呟くノエルに私はこう呟いた。


「問題ないよ、別に。この場所がバレたところで、ここの喫茶店のマスターは私だから」


「でも、もしもって事があるだろう?」


「大丈夫だよ。もし敵が来たとしても返り討ちにすれば良いだけだし」


「それもそうだね」


「とりあえず私たちの食事をとるために一旦店を閉めよう。また昼から営業だよ」


「了解」


 閉店準備を始めるとスーツを着込んだレイカが帰ってきた。


「まともな仕事とれた?」


 私の質問に彼女はこう答える。


「私がまともな職種につけると思う?」


 その言葉を聞いて私は笑う。


「確かに、無理だよね」


「だろ?」


 彼女はドヤ顔でそう言うと私の肩にポンと手を置いた。


「じゃあ、今日もよろしく」


「はいよ」


 そして私達昼食を取った後、3人で喫茶店の開店作業を始めた。


 私はこの時間が好きだ。


 3人で収入は少ない物力を合わせて生きていっていると言う実感が凄くするからである。


 レイカは私が趣味の店でいつまでも働く事をよしとしていないみたいだが、なんだかんだ乗り気で働いてきてるので悪くはない。


「ツカサ、あんた今幸せ?」


 唐突な彼女の問いに私は答えた。


「ああ、幸せさ」


「そっか、それなら良かった」


 彼女の笑顔はとても眩しかった。


 その笑顔を見ていると本当に彼女がここに居てくれてよかったと思える。


「ふふふ……」


「なんだよ?」


「ううん、なんでもない」


 こうして平和な日々が過ぎていくのであった。


 〜閉店後〜


「ねえ、レイカ。今日の晩御飯は何を食べたい? リクエストはあるかい?」


 私がそう呟くとノエルが割り込んで来る。


「カフェイン! エナジードリンク!! ジャンクフード!!!」


「はいはい、分かった分かった。今日はノエルの好きにして良いよ」


 私は苦笑いを浮かべながらも、彼女にそう返しながら彼女とレイカの手を握りしめた。


「なっ、なんだよ急に!」


「何? ツカサ?」


 困惑している2人に私はこう呟く。


「ん〜? なんとなくこうしたかっただけ。じゃあ晩御飯にしよっか」


 そう呟いた私達は晩御飯を同じ部屋でゆっくりと楽しむのでした。

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