『マッドン』⑥
『マッドマン』の体に二属性の球体が直撃する。
「ギャァァァ!!!」
『マッドマン』はそのまま吹っ飛び、壁に激突して気を失った。
「ふぅー危なかったね」
「ああ、まさかあんな隠し玉があるとはな」
私たちは一息つくと、気絶した『マッドマン』の元に歩み寄る。
「さて、色々聞き出すかな」
「まだ俺がいるぞ!!!」
そう言った時にレイカが相手をしていた重力使いが攻撃してきたのだが、私には当たらない。
「ツカサ...!?」
レイカは驚いた顔をしているが、私は気にせず重力使いに今までよりも強力な水の波動で攻撃した。
「うわぁぁ!」
その水圧により、重力使いは壁を突き抜け、隣の建物にめり込んだ。
そして倒れている『マッドマン』の元へ再び歩み寄った。
「終わりだ」
そう呟いた私は『マッドマン』に水を纏わせて拘束し、近くの柱に括り付けた。
「ん...ここはどこだ?」
どうやら目を覚ましたらしい。
「おはよう、気分はどうかな?」
「最悪だ。できれば今すぐ殺して欲しいところだが...」
「そう簡単には死なせないよ」
「チッ、仕方ねぇな。話すことは何もないぞ」
「なら質問を変えるよ。君たちは何者なんだい? その能力は普通も人間レベルを超えている。まあ僕たちの敵じゃないけどね」
「......」
『マッドマン』は黙っている。
「答えられないのかい?」
「答える義理はない」
「それは困るな。こっちも命をかけて戦ってるんだから」
「それでもだ」
「なら、君たちの目的は何だ? 本当に世界征服なのか?」
「それは教えれないね」
「どうしても?」
「くどいぞ」
「じゃあいいや、君はここで死ぬことになるし」
「何だと?」
私はさらに水の出力を上げる。
「おい! 待ってくれ! 俺はお前らの味方だ!」
「信じられると思う?」
命乞いをするにしてももう少しマシな嘘をつけないのかこいつは...。
「本当だ! 信じてくれ!」
「無理だね」
「頼む!」
「残念だけど、さよなら」
「やめろぉ!」
バキィ!!
「がはっ!!」
こうして、『マッドマン』との戦いが終わった。




