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突撃

「ノエル!? ノエル!? お願いだから返事して!!」


 私の反応に驚くレイカ。


「まさか!? ノエルのやつやられちまったのか!?」


 インカム越しに聞こえてくる声が物音から別の男性に変わる!


「やあ、どこかの組織の皆さん。僕たちは『カオスチャイルド』です。君たちには消えてもらわないといけないんだよね。悪いけどさ」


 インカム越しに聞こえる少年らしき男の声に私はこう答えた。


「ノエルはどうしてる?」


「...」


 無言になるインカム越しの男。


「ノエルはまだ無事なんだね? なら安心だ」


 私がそう言うとインカム越しに笑い声が響く。


「いやぁ、君は面白いね。僕のことを怖がらないなんて」


「もっとやばい組織とやり合っていた経緯が僕にはあるからね」


 私の言葉を聞いた男がまた笑う。


「そっかー、君って結構大物だったりするのかな? でも残念だけど、君の仲間はもうすぐお終いだよ」


「どういうこと!?」


 男の言った言葉の意味を聞こうとするとインカムの向こう側からノエルの悲鳴が上がる。


「ほらね? もうすぐだよ? 早く助けに来ないと君たちの大切な仲間が亡くなっても知らないから」


 男の言葉を聞いてすぐに通信を切る私。


「おい!! どうなってんだよ!!」


 慌てるレイカ。


「...ごめんなさい、ちょっと待ってて!」


 一度深呼吸をし、


 気持ちを整える。


 そして私はノエルがいるであろう場所に特攻した。


 ノエルとの通信を考える限り、あそこにいた学生達は全員『カオスチャイルド』の奴らが擬態していたと考えると納得がいく。


 しかし、それだと一つだけ疑問が残る。


 それは何故あの場にいた生徒達が皆同じ格好をしていたかということ。


 まるで事前に用意されていたような感じがするのだ。


 それにいくら変装が得意な奴がいたとしてもノエルの瞳を欺くくらいに上手くできるだろうか?


 ならばやはり奴らの中に擬態能力のある能力者がいたという可能性の方が高いだろう。


 問題はそれが誰かということだ。


 もし仮に『カオスチャイルド』のメンバーだった場合、その人物はおそらく『混沌の子』と呼ばれる組織の最高幹部の一人だろう。


『混沌の子』とは『カオスチャイルド』の中でも特に危険視されている者達の名だ。


 彼らは他の秘密結社と比べて圧倒的に強い超能力者なため、彼らに対抗するための組織も数多く存在するらしい。


 そんな『混沌の子』の中でもトップクラスに強いとされているのが最高幹部である3人。


 そのうちの1人がこの町にいることは確認済みだが残りの2人はまだ判明していない。


 もしその1人が『カオスチャイルド』に所属していた場合、ノエルを助けるのはかなり難しくなるかもしれない。


 最悪の場合、ノエルの命を天秤にかけなければならない状況に陥る可能性もあるからだ。


(そうなるとまずは相手の目的を知る必要がある)


 そう言うわけで私はいきなり突撃を開始するのだった。

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