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スライムクラスタ転生~異世界も みんなで渡れば 怖くない と思ったけど スライムだからナチュラルに死にそう~  作者: リコピン
第二章 人化成功(一部スライムを除く)、冒険者デビュー
42/149

1-3 シノ&ユージLv.8

翌日、再び遊びに来たノアに、「ブラウに用がある」と伝えた結果、街に帰ったらブラウをこちらに寄越してくれるということで話がついた。あと、何でかノアにスゴいナデナデ、ムニムニされた。


気が済んだノアが洞窟を後にしたところで、ユージーが改めて開いた作戦会議。ブラウに恐らく変身魔法?の先生をお願いする上で、私達の素性、前世人間だったなどのマル秘事項はあくまで秘密、などなどの約束事をいくつか決めたユージー、満足げに頷いて、


『んじゃあ、あとは、俺とシノのステータスでも確認しとくか。』


『っ!?何でっ!?』


『何でって…。お前こそ、何でそんな焦ってんだよ?』


『焦ってない!けど、何でっ!?』


ユージーの視線が、目はないけど視線が、だんだん胡乱なものになっていく。


『…レベルが8まで上がって、俺はスキルが増えたし、お前はノアに助けてもらった影響でMPがヤバイことになってんだろ?一応、確かめて、』


『MPだけ、1240あるよ!』


『それは…、マジでヤバイな。けど、まあ、一応、ステータス画面確かめて、』


『何でっ!?』


『…逆に、お前は何でそんな見せたくないんだよ?』


『見せたくないわけじゃないよ!』


『なら見せろ。』


『!?』


まずい。マズイマズイ。これは、非常にまずい。何とか、誤魔化さねば―


『ユージーから!ユージーのスキルから見せて!』


『…まあ、それは別にいいけど。』


そう言って、ユージーはマリちゃんにステータス画面を送ったらしい。「上げたよ」っていうマリちゃんの言葉に、頭の半分では「マズイマズイ」の対処法を考えながら、マリちゃんの投稿画像を覗き込んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:ユージ

種族:スライム

LV:8

HP:80/80

MP:40/40

スキル:

 意識共有(スライム)

 開眼

 探知

 索敵

 暗視

 透視

 new混乱

 new睡眠

 new麻痺

 ????

エクストラスキル:鑑定

称号:第三の目開きし者

ーーーーーーーーーーーーーーー


「混乱:任意の対象を混乱させる」

「睡眠:任意の対象を眠りにつかせる」

「麻痺:任意の対象を麻痺させる」




『まぁ、今までの探索系のスキルから、状態異常系の補助魔法みたいなスキルが増えたって感じだな。』


冷静に自己分析してるユージーの言葉を聞き流しながら、詳細を見る限り、確かに真っ当そうなスキルばっかりだと考えて、だけど、そうすると余計に「透視」の異質性が際立ってるんですけど、とかなんとか考えてる内に、言われてしまった。


『シノ、そろそろ観念しただろ?大人しくマリカにステータス画面送れ。』


『…』


観念は、していない。していないなりの精一杯の対処法で、マリちゃんにステータス画面を送れば、マリちゃんが一瞬、固まってから、「上げたよ」ってちっちゃい声で教えてくれた。



ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:シノ

種族:スライム(キメラ)

LV:8

HP:80/80

MP:1240/1240(+1200)

スキル:

 意識共有(スライム)

 早く起きなさい

 ご飯よー

 遅刻するわよ

 いってらっしゃい

 ????

 おかんアート

 new無料お試しセ????

エクストラスキル:この子のためなら死ねる

称号:おかん

ーーーーーーーーーーーーーーー




『…下っ手クソな小細工しやがって。』


『…』


『選べ。新しいスキル、自分でちゃんと見せるか、俺に十センチ至近距離で鑑定されるか、』


『ッ!?イャァァァアア!?』


うっすら開きかけたユージーの眼に、速攻で、スキル画面を送り直した。



―――――――――――――――

スキル:無料お試しセット

サンプル化粧品。お肌がモチモチになる。消費MP1

※おかんが「無料だから」って色々試すやつ

―――――――――――――――



『…シノ。このスキル、いつからある?』


『え?いつ?だったかな?』


『お前、これ、勝手に使ってただろ?』


『…』


どうしよう、ユージーがにじり寄ってくるんですけど。


『いつからだ?』


『ユージー!?近い近い近い!?』


『おかしいと思ってたんだよ!ノアのやつが、妙にお前だけを気に入って撫で回してっから!同じスライムなら、俺やマリカでもいいわけだもんなぁ!?』


『え!?ユージーも撫でられたいなら、』


『止めろ!気色悪ぃ!!』


『ギャァァアア!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!閉じて!?眼ぇ閉じて!?』


『やっぱ、お前!勝手に使ってたんだな!?』


『だって、お試しだから!無料(ただ)だから!』


『「消費MP1」って、なってるだろうが!』


『送料は!送料だけは自己負担なのー!』


『はぁっ!?』


『だって、だって…』


怒りMAXのままのユージーだけど、MPの無駄だと判断したのか、半泣きの私に気が済んだのか、漸く眼を閉じて、


『言い訳があんなら、一応、聞いてやる。』


高圧的な態度。いつかと立場が逆転してしまってる。


『…寝る前とか、MPが余ってる時にしか使ってないよー。』


『…』


『私は意識高い系おかんなの。ヒナちゃんの抱き枕、癒しであり続けるために、お肌のお手入れは欠かせないの。』


『っ!くそっ!俺はな!お前の種族が「スライム(キメラ)」になってることとか、MPが四桁になってることとか、そういう、もっと有意義な内容について話をしたいんだよ!それをこんなっ!』


『キメラになっちゃったのは、蘇生させるためにブラウの鱗使ったからで、MPが増えてるのも核にぶっ刺さってる鱗のせいー。痛かったー、死ぬほど痛かったー。』


『…』


『ユージ…。別に、少しくらいなら、シノさんの好きにスキル使ってもいいんじゃない?無駄遣いはしてないって言ってるし…』


オコなユージーにメソメソしてやったら、ユージーは黙り込んで、マリちゃんが味方してくれた。やっぱり、こういう時は女の子同士だよね。マリちゃんならわかってくれると信じてた。


マリちゃんを援護に、仁王立ちのチョコプリンをチラッチラッてしてたら、


『…まあ、今はこんだけMPあるからな。これから使う分には、文句は言わねぇけど…』


『!』


『ただし!一日一回までだからな!?それ以上のスキル使用は無駄遣いだと見なすぞ!』


『ハイッ!』


良いお返事が出来た。


このスキル、(精神)年齢に制限でもあるのか、ヒナちゃんとマリちゃん相手に内緒で使った時には発動しなかったんだけど。うん、ユージーには今度こっそりお裾分けしておこうと思う。怒りジワ対策。ユージーは三十代、多分イケるはず。







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