28/149
3-幕間
「な、失くされたんですか!?ガルシア家の知の結晶、秘伝の『モンスター図鑑』を!?」
「うん。そうなんだよね。それで、流石に手ぶらって訳にもいかないから、新しい『モンスター図鑑』くれる?」
「っ!?い、いつでしょうか?」
「え?失くしたの?ついさっきだけど、」
「ち、違います!失くされた図鑑、ノア様が図鑑に追記されたモンスター情報!ギルドで最後に写しを取られたのはいつ頃でしょうか?」
「写し?…あー、五、六年は取ってないかも?」
「っ!?で、では、二年前の暗黒竜討伐の際のモンスター情報も、」
「ああ。写しは無いね。」
「っ!?三年前の氷結狼の変異種に関する情報、は…?」
「無いなぁ。」
「お、覚えてらっしゃったりはしませんか…?せめて、暗黒竜に関する情報…」
「ごめん。全然覚えてないかも。」
「っ!?」
「あ。ねぇ?ちょっと、大丈夫?」
「…」
「…倒れちゃった。意識無いみたいだね。どうしようか、ブラウ?」
「ハァー…」




