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4-7 Side Y

(…エグい…)


ノアの折檻により、気を失ったシノ。その気絶したシノの身体を、ノアが嬉しそうにぶら下げて─


(…いや、一応、あれでも抱いて?んのか…?)


体積が有りすぎて、半分以上垂れ下がってしまっているシノを抱えて、ノアがだらしない顔で笑っている。


(その顔で、シノに接してりゃいいのに。)


先ほどまでの鬼神みたいな顔じゃ、流石のシノも能天気を発揮できなかったらしい。呆れ半分、安堵半分で、手のかかる主従を眺めていれば、


「…お主には、ノアが世話をかけたな。」


「ん?ああ、まあな。…正直、世話した感は、かなりある。」


ベッドの上、上半身を起こしたブラウが眩しそうな瞳でノアを見つめている。


「…ノアを、上手く導いてくれたようだな。手がかかったであろう?」


「いや、全然。全然、導くとか出来てねぇから。俺じゃ、あいつの手綱握んのなんて無理無理。…あいつを制御出来んのは、お前くらいのもんだろ?」


「そう、か…」


慈愛の眼差し、まさにそんな視線を感じたのか、ノアがシノをぶら下げたまま近づいてきた。そのまま、ブラウに向かって頭を下げる。


「ブラウ、ごめんね。」


「…ノア?」


「今回は、僕のやり過ぎ、だった。僕、ブラウになら何やっても許されると思ってたのかも。」


「…」


「ブラウが居なくて、結構、大変だったんだよね。…僕、ブラウが居ないと本当、駄目みたい。」


「ノア…」


「あのね、ブラウ。ブラウは、これからも僕のテイムモンスターでいてくれる?僕、こんなだけどさ?」


「何を言う。ノアは(われ)が仕えしガルシアの歴代でも最も優秀、偉大なるモンスターテイマーだぞ?ノアに仕えるは当然のこと。ノアは我の誇りだ。」


「…そっか、うん、ありがとう。」


ノアの笑顔付きの感謝にブラウが満足げに頷くのを眺めて、ついつい、突っ込みたくなってしまう。


(いやー、実際、かなり厄介な『ご主人様』だと思うけどな…)


ただ、(マスター)至上主義、嬉しそうなブラウを見ていれば、それを口にするのも憚られる。それに、この二人が一緒にいれば、こちらの心の平和も保たれるわけだから─


結局、ノアがブラウを足代わりにしようとしていたことは黙っておくかと、心の中、一人呟いた。






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