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第6話 あだ君「汗顔、閑吟、間隙」

「一人夜に、自転車で走ってたら、急に歌いたくなる時があるじゃん?

 人気もないし、思わず閑吟(かんぎん)したくなるじゃん?

 だから小声でちょっと、気に入った歌を口ずさんだのよ。

 うぉーとか、いぇーとか、ふんふんとか、あーいやーとか。

 そしたら丁度良く、自転車の人と道ですれ違っちゃうの。


 もう恥ずかしい、汗顔(かんがん)する。咳込みながら、その人の背中を見る。

 その人が猫も通れなさそうな間隙(かんげき)に入って行った時は、別の意味で汗を掻いたね。」

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