第死後話
少年は部屋の扉を開けて、走り出した。
早く早く、出なければならない。
この家は自分の居るべき場所ではない。
この家から出ないとならない。
しかし廊下が伸びる。
走っても走っても、下りの階段が見えない。
おーい、待てよと声が聞こえる。
廊下は走るなよと声が聞こえる。
まだまだお話は終わらないだろうと声が聞こえる。
せめて、それは、置いていけと声が聞こえる。
ようやく階段を見つけた。
真後ろから、背中を引っ張られる。
首が折れた、首が千切れそうな、血塗れな、頭の陥没した四人の少年がいた。
黒い靄の様な物が、少年達にまとわりついた。靄は少年達を部屋に戻そうとしていた。
俺はその隙に振り払い、階段を転げるように降りた。
出口の扉が見える。
助かる、ようやく助かる。俺は、元の場所に、戻れる。
ガラガラと音を立てて、扉が横に開いた。
外に飛び出すと同時に、四人の手が俺の体を捕まえた。
ベッドの上で、目を覚ました俺。
医者と思われる人が、ベッドの横にいた。
包帯に塗れた僕に、優しくその人は話しかけてきた。
「目を覚ましたか?」
俺は横になったまま、頷く。
「君の名前はなんというか、わかるかい?」
僕はその言葉に、答えなかった。
「君は、オダ君で、いいんだね?」
「……違います……」
これにて完結です、ありがとうございました。




