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第35話 おだ「黙劇、喪章、黙許」
「夜に歩いていると、公園の方で観客が集まり、その中央で数人の男が何かやっていた。
見に行くとどうやらパントマイム、黙劇だった。
何人もの人達が、上手い動きで言葉を話さずに動く。
観客もつられたように何も言わない。
それは葬式のパントマイムだった。
そして一人の男が、死装束を着せられ棺桶に入れられる。
掘られていた穴の中に棺桶は埋められていく。
見れば皆、弔意の黒い布を、喪章をつけていた。
劇の人達も、観客の人達も。
そして棺桶は生きたまま埋められた。
気づけば劇の人達も、観客も、皆、俺を見ていた。
俺は逃げ出した。
生き埋めだけど、俺は警察には訴えなかった。黙許した。」




