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第22話 いだ君「和御魂、憎体、荷厄介」
「親戚の話だけど。
田舎にな、神社があるんだ。そこの神様に祈る祭りも毎年やっている。
そこの神様の像は優しい笑顔をした、和御魂の穏やかな神様だった。
毎年、親戚のおばさんは、田舎に帰っていたんだけど。
ある年に帰ると、穏やかな表情の神様が、いつもと違っていた。
その表情は周りを恨めしそうに見る、憎体な表情だった。
しかし周りに聞くと皆、いつもの優しい顔の神様だと言う。自分だけが悪神の如き表情に見えた。
おかしいのは自分なのかと、おばさんはその気持ちを持て余し、荷厄介な気持ちになって過ごした。
次の年、おばさんは田舎に帰るのがなんだか嫌になって、田舎に帰る為のバスに乗るのをすっぽかしたんだ。
そしたら、その田舎に向かう為のバスが事故を起こして、死者が出たんだよ。
おばさんは、『神様が自分を来ない様にして、守ってくれた』って感謝してるんだ。
でも俺、逆だと思う。
神様は本当に、おばさんの事が憎くて呪ったんじゃないかと。運よくおばさんは助かっただけだと。
なんでそう思うかだって?
だっておばさん、そこから一ヵ月後に事故で亡くなったもの。」




