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第21話 あだ君「内済、内借、内祝言」
「トイレから帰って来たか。じゃあ話すぞ。
ある所にやたら隠し事をしている夫がいた。
妻に隠して借金を内借していた。
それが妻にバレてもめると、夫は奥さんを殺した。
その事実を周囲に必死に隠していた。
元々、結婚も内輪だけのの内祝言だったから、周囲には妻がいること自体、知らない人も多かった。
おかげで事件を表に出さず、内済で終わろうとしていた。
ある日、男が仕事に来なくなった。
隠し事の多い男だったから、家の場所も誰も知らない。親ですら知らなかった。
そのまま男は行方不明扱いになった。
家賃の支払いが何か月か遅れていると、大家がそいつの家に行った。
その男は餓死していた。
家の中は荒れ放題。壁やガラス、そして扉には体当たりしたり引っかいたり、引っ張った後があった。
そしてその男が最後に書いたメモが発見された。
『ここから出してくれ』って。
きっと死んだ奥さんに、隠されてしまったのだろう。」




