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第■話 おだ君
話を終えたおだ君は、他四人に「トイレに行って来る」と告げて、部屋を出た。
扉を開ければ薄暗い廊下、階段を下りて、玄関近くの便所へと入る。
洋便器におだ君は用を足し終えた後、ふと四角い白い部屋の中で考える。
(俺達は、なんでこんなことをしているんだ?)
(そもそも俺達は、なんで集まったんだ?)
(そもそも俺達……あいつらは誰だ?)
ふと背中から気配を感じたおだ君は後ろを振り返る。
しかしそこには閉じた扉しかない。
トイレを出て、階段を上がり、おだ君は部屋へと戻った。
畳が敷き詰められているその上に、布団が五枚ひかれ、電灯から明るい光が照らす。
そこにはおだ君を待っていた、四人のラフな格好の男子高校生が座っていた。
部屋の隅に、人とも靄とも言えぬ何かが、四人のうちの誰かを睨んでいた。
しかしおだ君が瞬きをすれば、そんなものは存在しなかった。
おだ君は座る。それ以外する事が無いからだ。
男子高校生の一人が口を開いた。
「じゃあ次はあだ君の番だね」
おだ君は何か大切な事を忘れている事に、トイレで気づく。
それを思い出す為に、彼はこの部屋に戻り、怪談を続ける事にしたのだった。




