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第12話 いだ君「侍講、自今、四顧」

「俺の小学校の教師の話だけど、なぜかいつも周りを見回しているんだ。

 何かするたび、きょろきょろと四顧(しこ)している。

 俺も小さかったから、先生何しているのって無邪気に聞いたんだわ。

 そしたら先生、誰かが見ている気がするって素直に答えたんだわ。


 俺は周りを探したが、別に何もいなかった。

 『気にしすぎだよ、先生』と、侍講というわけじゃないけど、俺は教えたんだ。

 先生は『そうだな。これからは気にしないよ』と笑顔で言ってくれた。


 先生は言った通り、その自今(じこん)から周りを気にしなくなったというわけだ。


 でも俺、数日後に見ちまったんだよ。

 人とも靄ともいえない何かが、先生を影からジッと見ているのを。

 でも今さら、やっぱり居ますよとは言えないよな? そのまま言わずに小学校卒業しちまった。」

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