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71 相談相手

もう1年、第5次B計画に参加して、参加報酬がさらに500万コイン。いい話だと思う。アウラは即決した。1000万コインあれば大学に行ける。

僕だって、第4次B計画の参加報酬の500万コインで専門学校に行きたいと思っていたけど、できるのなら大学に行きたいと思う。

ただ、そうなるとエリナが。。。


僕は自分でも知らない間にため息をついていたらしい。

サニアがどうしたの?と聞いてくれた。

僕はサニアに相談したいと思う。サニアは秘密を守ってくれると思うし、ここは夕食後の僕たちのコテージで、立ち聞きされる心配もないけど。

でも所長は内密にと言ったし、うーん。


僕がそんな事を思っているとサニアは、

私に話したからといって力になれるとは限らないけれど。

なんて言うので、逆にサニアに話さないわけにはいかなくなった。

けど、問題なのは主にエリナのことだから。僕はサニアにはエリナのことだけを話した。


「僕には1歳年下の恋人がいて、彼女が18歳になるのを待つためにB計画に参加したんだ。」

うん。サニアは黙って聞いてくれた。

「けどここに来て、いろんな人と話をして、それで、僕も参加報酬の500万コインで専門学校に行きたいと思い始めて、

でもそれだとエリナと階級が違ってしまうから、結婚してもうまくいかないかもだし、そもそもエリナがまだ僕のことを待っていてくれているのかもわからないし」


ジェイミィは今でもそのエリナって子が好きなの?

「最初は好きだった。そうだったけど、今では結婚したいぐらい好きなのかどうか、自分でもよくわからない」

そう。サニアは立ち上がってコーヒーを入れてくれた。自分の分もだ。彼女はリザリィと違ってコーヒーを全く飲まない訳では無いらしい。


確かに階級が違う相手と結婚するのは大変よね。その時はよくても後から子供の学費問題とかイロイロありそうだし。

「うん、そこはやっぱり僕も引っかかっているところだ」

それはリザリィにも聞かされたし、普通に考えてそうだろうなと思う。だからといってエリナのために僕が専門学校に行かないという選択はないかな。


今のままじゃエリナと結婚しても幸せにはなれないかもね。

サニアがそんなことを言うから

「え!?エリナが?」

馬鹿ね、ジェイミィが、よ。エリナがどう考えているかなんて故郷の惑星に帰って話をしてみないとわからないじゃない。

自分が迷っている状態で結婚して幸せになれないのはジェイミィよ。私はジェイミィがどんな将来を選択してもジェイミィに不幸にはなって欲しくないわ。

だから今はジェイミィは専門学校に行く準備はちゃんとしておいて、エリナのことは帰って話をしてみてから考えるのでいいと思うわ。

「そうだね、ありがとう」


サニアが僕に不幸になって欲しくないと言ってくれたことはありがたいけれど、やっぱり全てを打ち明けて話したわけではないし、ケイトに相談するというのも考えたけれど、ケイトはB計画全体を成功させたいだろうし、彼女にも立場があるので、純粋に、公平なアドバイスが聞けるかどうかな微妙なところだろう。


そうなると、僕が相談したいと思えるのは、僕が相談できるのは1人しかいない。

ほとんど黒に近い、暗い茶色の髪を持った少女。


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