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70 第5次B計画

しかし、成功しなければ若い人の受胎率が高い時期のもう1年を奪うことになりますからね、それも含めて、来年度も参加してもらえるのなら参加報酬はプラス500万コインということに、、、

やります。

アウラは即答した。私、大学に行きたいんです。


「あの、次も参加するとなると第5次B計画の前に一度故郷の惑星に帰れますか?」

と僕は聞いた。

それは、その、人間を1人運ぶとなるとかなり高くつきますので、次の任務地には直接行ってもらう形になります。

私は2人とも引き続きこの惑星で任務に就いてもらいたかったんですが。


「ということは他の惑星に行くということなんですね」

2人とも参加してくれるのであれば、2人は別々の惑星にいってもらうことになります。


なんだ、アウラと一緒じゃないのか。僕はちょっとがっかりした。


故郷の惑星に一旦帰れないと言っても、次に参加してもらえるならば、本来のB計画では禁止されていた手紙を書くこともできます。1年で帰れると思っていたのに2年間も帰ってこなければご家族も心配でしょうし、

アウラがもう1年やると答えたからか、所長の言葉は主に僕に向けられている。

この人は僕にももう1年参加して欲しいんだろうな。B計画に命賭けちゃっている感じだし。参加者の多くが参加報酬で上の学校に行きたいから参加しているのが申し訳ないぐらいだ。


すぐに答えを出してもらわなくても、3日後までに返事をください。

僕が黙っていると所長はそう言った。


僕に選択権があるなんて珍しいことだ。それはいいけど、僕はそこで迷ってしまう。


それから、申し訳ないのですが、次に参加する、しないにかかわらずこの話は内密にお願いします。今の第4次の参加者にも、次の第5次の参加者にも。やはり「不公平」と感じる人がいるでしょうし。

やっぱりそう来るか。まあ500万コインは大金だし、目の前で他人が得をするのを見るのは面白くないことぐらいは僕でもわかる。


そしてご家族への手紙にはB計画側の都合で帰るのが1年遅れると書いてもらえれば、、、

上の決定だといえば家族も納得せざるを得ないということだな。


なんかいい具合に取り込まれているような感じだけど、僕は「明後日には返事をします」そう言って所長のコテージを出た。


また秘密ができちゃったわね。

アウラはそう言う。

「今度は所長公認だからいいんだよ」

それにしてもよかったわ。

これはどっちの意味だろう。両方かな。

あのことは問題になっていないし、私は大学へ行ける。ジェイミィは迷っているのよね?

僕の顔を見たアウラは、何かを察したように目をそらした。エリナのことを覚えていたのかもしれない。


「アウラと同じ惑星に行けるのなら僕は喜んでOKしたんだけど」

僕は思わずそう言ったけど、それは僕の本当の気持ちだった。

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