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64 サニアの気持ち

あいかわらずサニアはいろんなことを知っていて話をすると面白い。

その後、サニアが住んでいた地区の話を聞いたり、寒いときの暖の取り方を聞いたりしていたらもう結構遅い時間だ。

サニアに先にシャワーを浴びるように言うと、そうね、ありがとうと、サニアは素直にシャワールームに行き、僕は水音を聞きながら考える。


サニアとそういうことをするということは実はあんまり期待していなかった。

そういうことをすることを望んでいない相手とするのは、なんというかあんまり面白くないと思う。

フラン以外の女の子は、できれば成功報酬の1000万コインが欲しいと思っていたようだから、ある意味そういうことをしたいと思っていたと思う。

ただ、アウラはどう思っていたんだろう?アウラとペアになったのは一番最初で、そういうことはしなければならないとお互い思い込んでいた。

アウラが本当はどう思っていたのか、故郷の惑星に帰るまでに聞いてみたいと思ったけれど、今さらそんなことを聞いて何になるんだろう?とも思う。


ああ、いつだって僕はこうやって独りで考えてばかりだ。


そうこうするうちにサニアがシャワールームから出てきて、入れ違いに僕もシャワールームに行ったけれど。

サニアはどう思っているんだろう。サニアは、すでに貰っている奨学金の500万コインとB計画の参加報酬の500万コイン、合計1000万コインで大学に行くと言った。

だったら成功報酬の1000万コインはそんなに重視していないのかもしれない。そんなにカンタンに出来るなら誰も苦労しないとも言ってた。

だったらサニアにそういうことをする理由は無い。


僕は、したいかしたくないかと聞かれたら、もちろんしたい。サラサラ流れるサニアのストレートの髪はとてもキレイだ。

ここで誰かとペアになって、相手とそういうことを「しようとしない」のは逆に失礼だ。だって相手に魅力がないと言うってるようなもんだろ?

そう言ったのは誰だったっけ?

僕はそれを聞いたときはなるほど、と思ったんだけれど。

でも今は、サニアに断られるのが怖かった。


ああ、でもサニアなら、僕が傷付かないように上手に断ってくれるかな?

そして、サニアは僕が誘わなくても、「私には魅力が無いのかしら」なんてことは考えないとは思うけど。


僕はまだあれこれと考えていたけれど、いつまでもシャワーを浴びているわけにもいかない。

僕は普段は使っていないドライヤーを使って時間稼ぎをしたけれど、やがて諦めてリビングに戻った。


今さらサニアにカッコつけてもしょうがない。


そう思ってリビングに戻った僕を見て、ソファにいたサニアは立ち上がってベッドルームのドアを開けた。

そして振り返って僕のほうを見る。

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