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第三幕  天の楽園より追放されし者


 第三幕 天の楽園より追放されし者


 楽園を守護していた。

 第一天…使徒。

 ミカエルとは異なるが……もう一つの美貌天…使徒。


 その者は天にありし刻……。

 サタンといった名のようだった。


 然していつしかその者は守護していた天の楽園から、まだその姿形のあった人間のいる地上へと追放された。


 たぶん……天よりその者のしていた美貌がゆえに……それに忌み嫌われていたのか。たぶんそれは暗き暗黒の闇に堕ちた地上にしても最も姿形の醜形い生命体なのだろうか……。天の楽園に生なる蔦のようになり地を這うだけの動き……手足は基より無く……その体内に潜めた牙に毒を持ち……地上にある場所の底辺をうごめくだけの存在に変えられていた。


 その者。かつては透き通ってしまうような手足の美しき姿形も持ち…それにある後背せなかにあった光の翼羽はねも今では無くし……いつかにあった天より呼称よばれたその名も……美貌天…使徒という……。でも、それは……天の楽園の守護者であったその刻の者のようにある。


 第一天…使徒サタン。美しき風貌に魅惑の容貌。その双瞼にあるのは凡てというような美麗で妖艶なる魅力をその二つの瞳のうちに秘めていては……何者をも魅了し続けていた。


 然して……それにある事は……ただそら中天ちゅうてんに浮かぶ月に棲むようにある者。天の緋き魔石の守護者……ミカエルの造り出し者。天の楽園の果実を見ていた。月の海に棲む使徒ノクターナルのその瞳の動きをも魅惑してはその心をも魅奪うばうようだっりもした者。でも……その者もいつかの刻の……それにある麗しき光輝なる姿形は無くしてもいた。


 月の海に棲む。


 その者はそれにあっても……。


 いつかにミカエルとあった天より追放されたが事にもあるようにも思う。天はそれより永久とわの刻。それは何かの事から天より異美なる者とされた麗しき造形の者。


 月の暗い海に棲む使徒。ノクターナル。


 美貌天…使徒ミカエルの造り出し者。麗しさ漂うばかり美しき姿形をしていた事からも天より追いやられ永久に追放されしその者は……地上の楽園からも遠く離れた場所……。月というその場所にある暗い海に棲むようにいた。


 然し……旧き遠き記憶はどこか置き忘れたようにもある場所。そんないつかにあった事はミカエルの造り出した使徒なる者。それはミカエルの我が身の持つその力を鏡のように移したようでもあるが、淑天…使徒。(女性のような姿をした)ミカエルの力を秘めていてはその移し身なる者。


 月に追いやられし者。使徒…ノクターナル。


 天の楽園でいた守護者……サタンの持つ怪しげな光を秘めた。どこかその妖娟ようえんなる瞳に魅惑みせられた時からより……サタンを想い……永久に恋慕し続ける月の暗い海に棲む者。


 地上に暗闇の訪れる宵闇からもそらにある中天ちゅうてんに浮かんでも見える。それにある月の暗い海に棲む者……使徒…ノクターナル。


 サタン。それは天にいた刻に……ミカエルと同じ使徒…もう一ひとつの美貌天…使徒だった。


 月は…そんな遠き場所よりの恋慕に……いつしか然していた。

 ノクターナルなる月は……。どこか雫石にでもあるようにその身を恋慕の想いを刻に溢れ流した月からの雫でけずりながらもいた。然し……その事は……いつからか地上の楽園にいた姿形を持っていた人間というその存に因っては……暗闇のなか……そらも中天にある月の寂漠とした美しき風景に畏敬をもたらすというようになっていった。それはいつしか地上の楽園にある話の事では死星……月というその呼称名よびなにもなり……想えば永久に……この惑星ほしに囚われ続いている事からも人間とあった文明にあり、然して不思議とあるお伽噺のようえがくようにもなっていたりした。


 そんな事も……月は……ノクターナル月は……然していつかに地上に堕とされし姿形も醜形いようになった恋慕した者の事を想うと……月は燃え続ける星……太陽からのその返景ひかりの輝きを地上に少しだけ移さなくなり、月に暗く暗黒に染めたようにもある陰も……想い続け恋慕する者を……その醜い姿形に変わってしまった者を太陽からの返景で照らし出す事をしないようにと……それは少しづつ月も光の満ち欠けにより翳りを繰り返している事をするようになった。


 いつかに魅惑みせられた……。ミカエルと同じくしていた姿形をした。そんな美貌天…使徒サタンは……ミカエルとは少しだけ異なる意味での守護者でもあった……。


 天の楽園の守護者。

 緋き魔石を守護していたミカエルのいた場所に続いていた路に続く天の楽園を守護していた者。


 超時空間の天にある楽園。近づく事は出来なかったが……千年に一度だけ生る果実をも守護していた美貌天…使徒サタン。


 その後背せなかに光輝なる麗しき翼羽はねを持っていた。天の楽園の守護者ガーディアン


 それにある事からなのか……。まるで……月は……天より地上の楽園という場所に堕ちたいつかの美貌天…使徒サタンを……その醜形いように変わってしまっていた姿形を暗闇のなかに隠し……いつかにあった天の楽園。その刻から……その者に魅惑みせられた月の暗い海に棲む使徒…ノクターナルは……それは恋慕からの想いが地を這う蔦のようになったサタン……その者を想う刻に……移り変わりにある刻のその一点にだけでもと……そんな時間の移り変わりある。その刻に……その者を月の銀波により照らしてしまわないようにと……妖しく煌めいていてもそこに移した暗闇を創っては、その刻……月は返景ひかりを暗闇に移し満ち欠ける。そんな月の満ち欠けも醜落に変わってしまったいつかの刻にいた美貌天…使徒サタンの堕とされた地上に気遣い偲んばかるようにも……何かそうしている恋慕のようにもある事にいるようだった。


 ほんの僅かな刻をいつかの想いにいた。

 天の楽園。第一天…使徒ミカエル。

 それは緋き魔石の守護者。


 我は……緋き魔石を守護する者。


 そんな思いは……。


 然し……そんなようにあったミカエルですら……超時空間の天は地上よりも地下にある。爆熱に地も溶けている天を覆う灼熱の河より下。永久に凍りつく地上より更に奥深き場所に堕とした。


 超時空間の天。その天は造り出していた。緋き魔石に対反した粧青い石を守護するようにあった。然し……幾らそれは全能というの基にも……それにある緋き魔石の紅玉石による生命の邂逅の力の何かをどうにか出来る事でもない。


 粧青い石。それは人間という魄の存在にとっても脅威に思う事だろう。然し……その破壊と脅威……滅却と終焉をも齎す事が出来る力を秘めている。そんな瑠璃金石の魔石がある事を天の生まれた刻より……緋き魔石……紅玉石に対反ついなるそれを造り出していた天という突然の存在……。地上の楽園にいた人間たちも地上にいた凡ての生命体は、魄を包んでもいた肉体……姿形という事から分離わけられそうされる事によって……魄というだけにある存在にだけに赦された。然しそれは……超時空間をも越えた。その天への祈りを捧げ続けるだけの糧という存在でしかないようだと……それは何者も知る事にもない。


 黒く耀きし氷柱に睡眠る。いつかにそこに残された天の力ありし者。それは静謐せいひつにも感じるようにも睡眠り続けていては何かにある意識を持っている。


 不思議とそこに存在する。地上への路を態態わざわざと閉ざす灼熱の河は何故か天よりありし言葉によってそうしている。然し……それだけに存在させられるだけの暗闇からの話しかけている声の者は、同胞とすら言えるであろう人間。それを幾千年にありし刻に……唯……一つだけ超時空間の天より与えられた。凍る地の氷壁を破砕こわせる僅かな力……それは永久にも思うような刻のなかにいては、凍壁のなかに睡眠る脱け殻だけの人間を取り出しては……灼熱の吐息を吐く地の底の場所にそれと投げ入れていたりする。皮肉にもそれは凍る地に棲む番獣の糧という物になり、然してその吐く吐息は凍る地にある天に灼熱の河を生み出している。それを永久に維持する者のように思えた。


 魄の緋き魔石。その守護者ガーディアン。閉ざす存在にされた。永久に溶け崩れる事にもない。渇き凍りついた氷柱に天より投げ下された光輝なる鎖で繋がれている第一天…使徒という者。


 地上よりも遥か遠きそら……。

 美貌がゆえに天より追放されし月の淑天。

 第一天…使徒ミカエルの移身なる。恋慕にその身を梳りそれにある月を満ち欠けしている者。


 天の偽り。


 そういうべきなのだろうか……。


 漆黒の暗闇に残された。


 刻の凡ては……その者たちだけが……知ってもいた。


 ーーーーーーー


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