№15 ゴーストライターマスタード
劇中に登場する〈PDF〉には、「装着者が死ぬと、自室のパソコンが爆発する」機能が搭載されています。女子には判らないでしょうが、男子にとっては必須の仕様です(笑) ハードディスクの中身を他人に見られるくらいなら、僕は舌を噛み切るほうを選びます。
身長:188㌢(〈カナメイシリンダー〉は含めない)
体重:125㌔
〈印象〉:セイルフィンプレコ(詳細は『箸休め』の『吸盤あり! 鎧あり! ヤツらの名はプレコ!』をご覧下さい)
開発者:ソフィア・ヴィセル
読経:圏圏 鎧圏 遺影浪圏
パンチ力:☆☆
キック力:☆☆☆
ジャンプ力:☆☆☆☆☆
走力:☆☆☆☆
〈結論〉:〈ダーティーディーズ〉
〈亡霊葬稿マスタード〉とは……
→〈DXマスタードレッダー〉から実体化する〈PDF〉。長らく目々森博物館に封印されていたが、沼津半平の手に渡る。
各部説明
※性能は作劇の都合により変わります(笑)
()内は名前の由来です。
〈ブツメット〉(仏滅+ヘルメット)
→フルフェイスのヘルメット。髑髏を模したデザインは、〈シュネヴィ〉タイプと呼ばれる。〈PDF〉の仮面としては、最もポピュラーなデザインである。
一体成型された仮面には、構造的に脆い接合部が存在しない。主材料は金属化したガラス〈超合金デッド〉で、〈アモルファシュラウド〉に比肩する強度を誇る。原料となる〈オブツダン〉、〈リンジウム〉などの金属は非常に貴重で、中東の限られた地域でしか算出されない。
〈スキャバイザー〉(scab+バイザー)
→〈ブツメット〉に取り付けられたバイザー。〈マスタード〉のそれは、サングラス風のデザインになっている。装着者の目と重なる位置には、カメラが内蔵されている。
〈ビャクゴォーシグナル〉(白毫※+オーシグナル)
→眉間に備えられたランプ。触覚を使った特殊なシステムにより、背後の様子を装着者に認識させる。
(※大仏の眉間にある毛。知らない人にはイボにしか見えない)
〈デスプレイ〉(デス+ディスプレイ)
→コンタクト型のモニター。装着者の負担を軽減するため、普段は肉眼程度の解像度に抑えられている。49日間は一切手入れが不要で、装着していることを忘れさせるほど違和感がない。
〈スクリプロセッサ〉(script+プロセッサ)
→〈ブツメット〉に内蔵された補助コンピューター。メインコンピューターの〈スーツリアクター〉と共に、〈PDF〉の管理を行っている。また〈スーツリアクター〉が破壊された際は、その代わりを務める。〈スーツリアクター〉、〈スクリプロセッサ〉、〈スタッフラクタル〉は、どれか一つ生きていれば、正常に〈PDF〉を動かすことが可能である。
〈MEIDOWS〉(冥土+某OS)
→〈PDF〉のOS。何回かバージョンアップされており、現在は「10」と呼ばれるものが組み込まれている。アイコンを使った直感的な操作体系は、初心者にも問題なく使いこなすことが出来る。
〈クタバター〉(くたばった+アバター)
→〈デスプレイ〉に表示されるキャラクター。様々なジェスチャーを使い、〈PDF〉の状態を装着者に伝える。〈マスタード〉の場合は、ポケモンっぽいナマズさんが採用されている。
〈ダンマツマスク〉(断末魔+マスク)
→〈ブツメット〉が誇るエアフィルター。周囲の空気から有害な成分を取り除き、装着者に快適な活動を約束する。
〈ダツエバー〉(奪衣婆※+バー)
→〈ブツメット〉の顎部分に備わったロック。これを外さない限り、仮面を脱ぐことは出来ない。
(※三途の川に住み、亡者の服を剥ぎ取ると言われる老婆)
〈ソーサイジョー〉(葬祭場)
→人骨を組み合わせたような首輪。〈DXマスタードレッダー〉を使い、首を掻き切ることで実体化する。
〈スーツリアクター〉(スーツアクター+リアクター)
→延髄から突き出た走馬燈。〈PDF〉の動力炉であり、〈発言力〉の吸収、蓄積、管理を一手に担う。更に〈PDF〉全体を管理する機能も持ち、〈スクリプロセッサ〉、〈スタッフラクタル〉と共に三大頭脳と呼ばれている。
〈オクリピット〉(おくりびと+pit)
→両手の骨を模したロック。〈ソーサイジョー〉に装填された〈ブックドレッダー〉を、胸元に固定する役目を持つ。
「地球上で最も強力な万力」との異名を持ち、アフリカゾウに引っ張られても〈DXマスタードレッダー〉を放さない。
〈アモルファシュラウド〉(アモルファス※1+シュラウド※2)
→各部を守る装甲。〈ブツメット〉と同様の素材で作られており、他のパーツとは比較にならない強度を誇る。ただし軽量化の観点から、内側には超高分子プラスチックが用いられている。また内部はハニカム構造で、空いたスペースには様々な機器が詰め込まれている。
(※1→非晶質の意。結晶構造を持たない物質を指す)
(※2→死体を包む布)
〈チューバン〉(チューをする+吸盤)
→全身に備えられたタラコ唇。非常に強力な吸盤で、攻防に活躍する。また圧縮空気の噴射口でもあり、外気を取り入れる役目も持つ。でんしゃどうしがひっぱりあっても、ぜったいにとれないぞ!
〈ピライーバイト〉(ピライーバ※+bite)
→〈チューバン〉に仕込まれたヤスリ。ガラス化した金属で作られており、ダイヤモンドも難なく削り取る。
(※アマゾン川に棲息するオオナマズ)
〈ビッグマウス〉(大口を叩くこと)
→〈アモルファシュラウド〉の胸当て部分。巨大なタラコ唇で、人の頭くらいなら簡単に丸呑みしてしまう。
〈ヌードリング〉(ヌードリング※)
→〈アモルファシュラウド〉の籠手部分。またブーツのことも指す。見た目は巨大なナマズそのもので、見るものに四肢を食われているような印象を与える。
(※腕をエサにし、ナマズを捕らえる漁法)
〈クワバラング〉(クワバラ+ラング)
→胸部に内蔵されたレギュレーター。装着者の呼気から二酸化炭素を取り除き、酸素として循環させる機能を持つ。水中や宇宙など息が出来ない場所で、装着者に酸素を供給するのが役目である。
〈スタッフラクタル〉(スタッフ+フラクタル※)
→ヘソの真上に取り付けられた球体。三大頭脳の一つであり、メインコンピューターの〈スーツリアクター〉を補助する役目を与えられている。
(※一部分を切り取っても、全体像と似る図形)
〈プレコート〉(プレコ※+コート)
→フード付きのポンチョ。
(※ナマズの一種。詳細は『箸休め』の『吸盤あり! 鎧あり! ヤツらの名はプレコ!』をお読み下さい)
〈カンディルアー〉(カンディル※+ルアー)
→〈プレコート〉の裾から伸びたフリンジ。伸縮自在で、思い通りに動かすことが出来る。
切っ先は非常に鋭く、厚さ30㌢の鉄板さえ貫通する。その上、高熱を発しており、立ちはだかる物体をドロドロに融かしてしまう。
(※ナマズの一種。詳細は本編をお読み下さい)
〈ヴァニタスキン〉(ヴァニタス※+スキン)
→装着者の全身を覆うチューブ。ミイラのように巻き付くことで、黒いボディスーツを形作っている。伸縮性はゴム以上であり、何ら装着者の動きを妨げない。
素材となっているのは、地球上で最も過酷な島に棲息するシカ「禍苦禍苦死禍鹿」。
(※絵のジャンルで、虚しさや儚さを題材にしている)
〈フリッケライン〉(フリッケライ※+ライン)
→全身を循環するエネルギー流動路。〈マスタード〉のそれは黄色で、地割れに似た模様を形作っている。必要に応じ、発光しないようにすることも可能である。
(※独語で『つぎはぎ』の意。スパロボ好きにはお馴染みですね)
〈カナメイシリンダー〉(要石※+シリンダー)
→背中から生えた岩。全身の唇から吸った空気を、限界以上に圧縮する機能を持つ。
(※伝説のオオナマズを押さえているとされる石)
〈DXマスタードレッダー〉
→卒塔婆型の〈偽装〉。〈ソーサイジョー〉に装填することで、〈マスタード〉を実体化する機能を有する。
正真正銘、〈PDF〉の要であり、破壊されることは〈マスタード〉の消滅を意味する。そのため、全パーツ中最高の強度を与えられており、〈マスタード〉本体が木っ端微塵になっても傷一つ付かない。
本体は〈ガンジョニュウム合金〉製。「100均のおもちゃっぽい」とディスられる外装は、超高分子プラスチックで出来たカバーである。
〈ブッシャリンボー〉(仏舎利※1+鈴棒※2)
→〈DXマスタードレッダー〉に取り付けられたセレクター。側面のアルファベットに合わせることで、〈返信〉解除や〈結論〉の発動などを行えるようになっている。アナログゆえに信頼性が高く、〈ハーベイト財団〉系列の〈PDF〉には、500年に渡って採用され続けている。
外観は鈴棒に瓜二つで、タイピンのように上下する。ただし、〈ブッシャリンボー〉には生体認証式のロックが掛かっており、装着者以外には動かすことが出来ない。
(※1→お釈迦様の骨)
(※2→仏壇のお碗を叩く棒)
〈オカルトーン〉(オカルト+トーン)
→〈DXマスタードレッダー〉の背面に設置されたスピーカー。操作に対応した読経を発し、装着者に状況を報せる。
歯車状のツマミを回すことで、音量を調節することが可能。また隠密行動を想定し、音声をオフにすることも出来るようになっている。
〈エンマダイオード〉(閻魔大王+ダイオード)
→発光ダイオード(LED)。〈ブッシャリンボー〉側面のアルファベットを光らせるのに用いられている。通常時は白く輝いているが、ある条件下で七色の光を放つ。




