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お姫様の話

『才色兼備の女王様』

私の大好きなお姉ちゃんを一言で表すならこれにつきる。


だってそうでしょ?

お姉ちゃんはとっても綺麗で頭も良くて、私の自慢のお姉ちゃんなの!

それにとっても優しいのよ。


あれ?意外?まあ、よく言われるかな。

お姉ちゃんはね、自分が気に入った人にはとても甘いの。

その中でも私は特別、そう自負してるわ。どうしても勝てない人が一人いるけど、それはまた後でね。

今だって私を元気づけようと結構高いケーキを買ってきてくれたの。

下僕に頼めばいくらでも買って貰えると思うけど、こういう時のケーキはお姉ちゃんが自分で買ってきてくれるの。これが特別扱いでなくて何だと言うの?



ああ大好き。大好きよお姉ちゃん!!


そんなお姉ちゃんだからこそ、私の王子様候補を取られても悔しくないの。

これが他の人だったら、私はきっと嫉妬で狂ってしまうわ。


ヒロ君が何人目だったか思い出せないくらいでも、ちゃんの毎回私は相手を愛してるの。

…惚れっぽいという自覚はある。けど、こればっかりはしょうがないでしょ?

だって私、惚れっぽいけど一度付き合ったら一途なのよ。

ほら、何も問題はないじゃない。ね?




私の王子様探しを手伝ってもらうようになったのはいつからだったかな?


あ、私が高校一年生の時!

あの時、初めての彼氏がお姉ちゃんに惚れちゃったの。

お姉ちゃんは何もしてないよ?あの人が勝手に憧れて惚れただけ。


…あの時は悲しかったな。この人が私の王子様なんだって思ってたもの。

きっと初めてのお付き合いで浮かれてたのね。

落ち込んでる時にね、お姉ちゃんが言ってくれたの。


そんなに簡単に優理のことを捨てられるんならきっと王子様じゃなかったのよ、って。


その通りだって思った。

だっておとぎ話の王子様は、魔女の誘惑にも周りからの圧力にも負けずにお姫様を想い続けるもの。

だからね、お姉ちゃんにお願いしたんだ。


私の本当の王子様を見つけるのを手伝って、って。


それからいろんな人と恋をしたけれど、みんなお姉ちゃんの下僕になっちゃった。

でも、その人たちがまだお姉ちゃんの下僕をやってるかは知らない。

だって別れてから見てないもの。





私、知ってるの。お姉ちゃんにもね、お気に入りの下僕とそうじゃない下僕があるの。


一番は私さえ勝てないクリスさん。お姉ちゃんの王子様…いや、王様?

この人といる時のお姉ちゃんは本当に幸せそう。

身寄りがない私たちの生活費をだしてくれてるのもクリスさん。

でも下僕というくくりに入れるのはちょっとおかしいかもね。


二番目は世界中にいる有力者の下僕。

詳しくは教えてくれないけど、お姉ちゃんって何ヶ国語も話せるから世界中に下僕がいるの。

その中でも、お金持ちだったり権力を持ってたりする人たちが二番目。


3番目はお出かけする時に一緒に行く、お気に入りの人たち。

気配りが上手で見た目も良くて、お姉ちゃんと歩いててもちゃんと釣り合う人たちのこと。


で、最後がその他の便利屋さんみたいな人たち。

送り迎えだったり、単なる荷物持ちだったり…色々。



ね?こんなに下僕がいるくらい、お姉ちゃんは素敵な人なの。

だから、そんなお姉ちゃんにも落ちないくらいの人が現れたらその人こそ私の王子様!

そう思わない?


あーあ、私もお姉ちゃんみたいに唯一の人を早く見つけたいなあ。

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